【2023年総括・第4四半期】シンガポール労働市場調査結果

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

先日3月14日、シンガポール人材開発省(以降MOM)は、2023年第4四半期および2023年全体のシンガポール労働市場調査結果を発表しました。

労働市場は僅かに拡大している一方で雇用増加のペースは鈍化しており、景気の逆風がシンガポールの今後の労働市場に影響を及ぼすことを示唆した前四半期。

実際に第4四半期の概況、そして年間の歩みはどうだったのでしょうか。

今回は、MOMがリリースをした内容をもとに詳しくお伝えいたします。


【目次】
1.雇用増加の勢いが大幅に減速した第4四半期
2.2023年の総雇用数について
3.失業率と人員整理対象者の推移
4.求人数と求人倍率
5.まとめ
6.最後に


1.雇用増加の勢いが大幅に減速した第4四半期

2023年第4四半期の雇用者数は、約7,500人(内訳:居住者400人、非居住者7,000人)の増加でした。

これは9四半期連続での増加でしたが、先にリリースしていた速報版からは900人の下方修正を行っての結果でした。

全体で見ると前四半期の増加幅(居住者:2,800人、非居住者:20,800人)と比較すると、大幅に減速した結果となりました。


主な増加は季節需要による小売業(+2,400人)、飲食サービス業(+500人)、芸術・娯楽・レクリエーション(400人)などの年末の季節雇用を行う業種によるものでしたが、ある程度の増加が見込めたこれらの業種だけを取っても、その増加幅は例年と比較するとそのペースは穏やかでした。


MOMは、本結果の要因を「前四半期に比べて企業の採用意欲が弱まり、求人数が減少しているため」だとし、労働需要の冷え込みを改めて指摘しました。


2.2023年の総雇用数について

2023年全体はというと、総雇用者数は88,400人の増加でした。

MOMは、居住者の失業率が低いことから、この増加は主に非居住者(83,500人)であり特に建設業と製造業のセクターによるものだとしています。


3.失業率と人員整理対象者の推移

2023年12月時点での失業率は、全体:2.0%、居住者:2.8%、市民:2.9%と前期、そして前年と比較しても低い結果だったことが分かりました。


また、2023年第4四半期の再雇用者数については、2023年第3四半期の4,110人(従業員1,000人当たり1.9人)から3,460人(従業員1,000人当たり1.5人)に減少しました。

これは、2023年第3四半期に急増した卸売業での人員削減が減少したことに起因します。

 

続いて、2023年全体の企業のリストラや事業再編に伴う再雇用者数についてです。

前年の数値(6,440人、従業員1,000人当たり3.1人)と比較すると14,590人、従業員1,000人当たり6.7人と大きく上昇はしたものの、新型コロナウイルスのパンデミック前の水準(2015年から2019年の平均:14,180人、6.7人)と同程度でした。


4.求人数と求人倍率

2023年12月時点の求人数は79,800件でした。

これは前四半期(9月時点)の78,200件からわずかに増加した結果でした。

求人数はこれまで2022年3月時点の124,400件をピークに6四半期連続で減少し続けていましたが、ここで一旦減少に歯止めがかかる結果となりました。

失業者数に対する求人数の比率(求人倍率)も2023年12月時点では1.74倍となりました。

2021年3月の0.96倍以降、失業者1人当たりの求人数は増加しています。

一時期の高倍率には及ばないものの、引き続き売り手市場の状況は維持しているという結果になりました。


5.まとめ

MOMは、2023年通年での総雇用数が引き続き増加したことから、「先行き不透明な社会環境やインフレなどの逆風にも関わらず、シンガポールの労働市場は一定の回復力を示した」としています。

また、通商産業省(MTI)も2024年は経済成長の見通しが改善するという見方を示しており、景況感の改善も予測しています。

一方で、世界的な逆風が続く中、事業再編は引き続き行われることが予想されており、それがさらなる人員削減の一因となる可能性もあるとしています。

このため、企業が労働者のアップスキルや事業の転換をスムーズを行える体制を整えることをサポートする姿勢を示しています。

例えば、政府が提供する「Workforce Singapore」のホームページ、そして「Jobs Transformation Maps (JTMs) 」などを活用することで、雇用主、また一人ひとりが常に状況に応じた柔軟な対応を取れるように準備をしておくことを推奨しています。


6.最後に

今回は、先日MOMが発表した2023年第4四半期そして2023年全体におけるシンガポール労働市場調査結果の詳細をお届けしました。

総雇用人数は引き続き拡大しつつ、今後の動向が注目されます。

シンガポールでの事業計画を立てる上でも参考情報となる労働市場調査結果。

引き続き続報がリリースされ次第、アップデートしてまいります。

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