シンガポール・フィンテック・フェスティバル2025最新動向 デジタル金融・AI・量子技術で変わるシンガポールの金融業界と人材像

こんにちは。
リーラコーエンシンガポール マーケテイング担当の野上です。
今週、シンガポールでは「Singapore FinTech Festival 2025 (SFF)」が開催されます。
今年で10周年を迎える本イベントのテーマは「Charting the Future of Finance (金融の未来を描く)」。
AI、トークン化、量子技術など、最先端のテクノロジーが金融業界にどのような変革をもたらすのかに焦点を当て、業界の専門家が集い議論を進めていきます。
昨今のテクノロジーの変化により大きく注目されている業界の名実ともに世界最大級と言える本イベント。
今回は、そんな「シンガポール・フィンテック・フェスティバル」と私たちが注目すべきポイント、そして今後求められる人材像についてご紹介してまいります。
【目次】
1. シンガポール・フィンテック・フェスティバルとは
2. トークン化とデジタル資産の普及
3. 金融サービスにおけるAIの急速な浸透
4. 量子技術とサイバーセキュリティへの新たな備え
5. グローバル決済と規制の革新
6. 企業が今、取り組むべき5つのポイント
7. 今後求められるフィンテック人材像とは
8. 最後に
1. シンガポール・フィンテック・フェスティバルとは

シンガポール・フィンテック・フェスティバル (以降SFF 2025) は、金融・テクノロジーなどの専門家が世界中から集まり、未来の金融のあり方を議論・共創する国際的なイベントです。
シンガポール金融管理局 (Monetary Authority of Singapore: MAS) が主催し、急速に進化するテクノロジーと金融の融合、変化する規制環境、そして革新的な金融ソリューションの最前線を探る場として位置づけられています。
今年2025年は11月12日~14日までマリーナベイサンズおよびシンガポールエキスポにて開催されます。
開催中は基調講演やラウンドテーブル、ワークショップ、展示会など多彩なプログラムを通じて、AI、トークン化といった話題のテーマから、世界経済全体を形づくるデジタルトランスフォーメーションのあり方まで、幅広い議論が展開されます。
単なる業界イベントとしてのみならず、最近では、一堂に会した専門家たちの異なる分野の知見を結びつけ新たなビジネスの可能性を生み出す「出会いと発見の場」として注目度を高めています。
昨年の開催時には、世界134か国・地域から6万5,000人以上が参加したそう。
本イベントの影響力と規模がこの数字からもよくわかります。
日本からの参加企業も年々増加傾向にあるようです。
デジタル技術が金融の仕組みを大きく変えつつある今、業界の動向を捉えることは、企業の経営や個人のキャリア形成の両面で欠かせません。
SFF 2025は、そうした変化を最前線で体感できる貴重な場であり、今年の議題からも「人がどのようにテクノロジーと共に成長していくか」という視点が強く意識されています。
こうした背景を踏まえ、今年のSFFではどのような議題が注目を集めているのでしょうか。
イベントの中心となる4つの主要テーマを見ていきましょう。
2. トークン化とデジタル資産の普及

まず注目されるのが、「トークン化」と呼ばれる新たな金融インフラの進展です。
SFF 2025では、「10 Years On-Chain」という特設パビリオンが登場し、実世界資産のトークン化 (Real World Assets: RWA)、ステーブルコイン、プログラマブル・ファイナンスなどの最新事例が紹介されるそう。
これにより、金融資産の流通・管理方法がより効率的で透明性の高い形へと進化していくことが期待されています。
それに伴い、ブロックチェーン開発者やデジタル資産のコンプライアンス担当者、トークン化に関する知識を持つ金融専門職などの需要が高まると見られています。
3. 金融サービスにおけるAIの急速な浸透
次に注目されるのが、切っても切れないAIとテクノロジーの進化。
これらが金融業界の業務構造を大きく変えようとしています。
SFF 2025では「AI & Quantum Roadmap」セッションが開かれ、決済や融資、リスク管理、RegTech (規制テクノロジー) 分野における生成AIの活用事例が多数発表される予定です。
こうした動きから、AIソリューションアーキテクトやデータ倫理担当者、AIモデルリスク管理者といった職種が今後増えていくことが予想されます。
金融機関にとっては、AIを「導入する」だけでなく、それらを「安全に活用できる人材」を育成することが求められていくのではないでしょうか。
4. 量子技術とサイバーセキュリティへの新たな備え

量子コンピューティングの台頭と、それに伴うサイバーセキュリティ対策も注目されるテーマの一つです。
現在、金融機関では、量子技術によって既存の暗号方式が脆弱になる可能性を踏まえ、「量子耐性暗号」への移行が急務となっています。
SFF 2025では、ポスト量子暗号 (PQC) や新しい脅威モデルに基づくセキュリティフレームワーク、また今後10年での技術対応が焦点となるようです。
5. グローバル決済と規制の革新

最後に、本イベントの開催地であるシンガポールが世界的な決済・デジタルIDハブとしての地位をさらに強化している点にも注目です。
国際的な金融取引がデジタル化・即時化するなかで、規制当局や企業が協力し、RegTech (規制テクノロジー) やクロスボーダーコンプライアンスの枠組みを整えつつあります。
また、シンガポールでは規制対応、政策策定、国際コンプライアンス分野の職種が拡大し、このような領域でスキルを持つ人材が重宝されていく見込みです。
こうした分野で活躍できる人材を確保・育成できるかどうかが企業競争力を左右する要素となりつつあります。
6. 企業が今、取り組むべき5つのポイント

こうした動きを踏まえ、シンガポールを拠点とする企業が今後意識すべきポイントは次の5つです。
職務設計の見直し
トークン化資産マネージャーや量子リスクエンジニアなど、新たなハイブリッド職種の創出が進んでいます
既存社員のスキルアップ
ブロックチェーンリテラシーやAI倫理、RegTechなどの分野に継続的な教育投資を行うことが不可欠です
グローバル人材の採用拡大
SFF 2025では、2万人規模の国際ネットワーキングプログラム「MeetUp」も開催予定であり、国境を越えた人材流動がますます加速しています
企業ブランドの強化
SFFへの参加やイベント共催は、デジタル金融業界におけるプレゼンスを高める有効な手段となります
ガバナンスとコンプライアンスの徹底
AIやトークン化の導入には、MAS (シンガポール金融管理局) のリスク管理枠組みに準拠した運用体制を整えることが重要です
7. 今後求められるフィンテック人材像とは

デジタル金融の進化が加速するなか、企業のみならず個人に求められるスキルセットも大きく変化しています。
これまでの「金融知識+ITリテラシー」だけでは不十分となり、技術・倫理・戦略の三方向からデジタル金融を支える総合的な視点が不可欠になりつつあります。
例えば、特に注目されているのは、以下の領域です。
・ブロックチェーン / トークン化プラットフォーム (Ethereum、Hyperledgerなど)
・AI・機械学習によるリスク分析、詐欺検知、自動運用
・量子耐性サイバーセキュリティの基礎知識
・データガバナンスおよびRegTechコンプライアンス
・異なる職種・部門間をつなぐコミュニケーション力やデザイン思考といったソフトスキル
これらのスキルは、本格化するデジタル金融社会を支える「次世代金融人材」にとっての中核要素となるでしょう。
8. 最後に

今回は、「SFF 2025」について、そして本イベントを通じて見えてきたフィンテック業界の最新動向と、そこから読み取れる人材・採用の変化についてご紹介しました。
同イベントでは、AI金融エンジニア、ブロックチェーン監査官、量子セキュリティ専門家、デジタル資産コンプライアンス担当など、これから需要が高まる職種が具体的に示される見込みです。
こうした変化に対応するためには、新しい専門人材の採用だけでなく、既存社員のリスキリングやスキルマッピングの再構築が欠かせません。
特にAI・トークン化・量子技術といった先端領域では、「技術を理解し、事業戦略に落とし込む人材」をどう育てるかが鍵となるでしょう。
また、SFFに直接参加できない場合であっても、公開プログラムや議論内容を活用することで、今後のトレンドを把握し、自社の採用・育成方針を見直すきっかけを得ることができます。
AIや量子技術など、かつてないスピードで進化する金融テクノロジーは、私たちの働き方やスキル構成にも大きな影響を与えています。
弊社では、こうしたトレンドを踏まえた人材採用・育成支援を行っております。
フィンテック分野の人材戦略やスキル開発に関するご相談も、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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