シンガポール人事が知っておくべき世代ギャップ!4世代が共存する職場のマネジメント戦略

こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。
団塊、新人類、就職氷河期、ゆとり…など、世代を表す言葉はそのまま時代を表すとも言えます。
これはシンガポールでも同様で、基本的には「ベビーブーマー」「X世代」といった国際的な世代区分が一般的に使われています。
世代間の軋轢と書くと大仰かもしれませんが、とりわけ若手からベテランまで集う職場では、価値観の変遷などからちょっとした違いが浮き彫りになることもあるかと思います。
そこで今回は、シンガポール職場で活躍する世代の定義や傾向、ジェネレーション・ギャップ、またギャップや対立を組織作りにどう活かすか、というテーマでお届けしてまいります。
【目次】
1. シンガポールの職場における世代の多様性とその課題
2. シンガポールの職場における世代構成
3. 世代間の摩擦が生じやすい4つのポイント
4. なぜ世代間対立の緩和が企業にとって重要なのか
5. 世代間のギャップを埋める!実践可能な5つのアプローチ
6. 最後に
1. シンガポールの職場における世代の多様性とその課題

世代だけでなく国籍や人種、バックグラウンドも様々な人々で構成されるシンガポールの職場は、まさに多様化の一途を辿っています。
2025年現在では「4つの世代」ベビーブーマー世代、X世代、ミレニアル世代、Z世代が同じ職場で共に働いています。
この多様性はイノベーションを生み出す一方で、世代間の摩擦を生む要因にもなっています。
2025年にHR SEAが行った世代別の働き方に関する調査によると、「働き方の違い」は社内の対立要因の上位3つに入ることが明らかになっています。
このことから、競争の激しいシンガポール社会において、こうした違いから生じる対立を緩和できる企業こそが、より強く柔軟なチームを築けると言えるでしょう。
2. シンガポールの職場における世代構成

シンガポールで世代を表す呼称は、基本的には国際的な世代区分と同様ですが、加えてシンガポール特有の世代呼称もあります。
ベビーブーマー世代 (1946〜1964年生まれ)
略してBoomersとも呼ばれるこの世代は、シンガポールでは1965年の独立前後の世代です。シンガポール特有の呼称として「建国世代 (Pioneer Generation) : 1949〜1958年生まれ 」の区分とも一部、重なります。建国を支えた初期世代です。
※ シンガポール特有 ※
ムルデカ世代 (1950年代後半〜1960年初頭生まれ)
Merdekaはマレー語で「自由・独立」を意味します。シンガポール特有の区分ながら、独立直後の国家形成期を支えた世代として認識されています。
X世代 (1965〜1980年生まれ)
「Gen X」と呼ばれる、急速な都市化と経済成長の中で育った世代です。英語教育・二言語政策の転換期にあたり、一般的にこの世代以降から英語が堪能です。職場ではミドル〜シニアマネジメント層にあたり、現実的で忠誠心が高く、家庭とキャリアの両立を重視する世代と言われています。
ミレニアル世代 (1981〜1996年生まれ)
Millennials、「Gen Y」の別称もあるこの世代は、IT産業の隆盛とグローバル化の波に乗って成長しました。学歴競争の影響も強く、テクノロジーに精通し、目的意識が高く柔軟性がある現代シンガポールの労働力の最大層です。
Z世代 (1997〜2012年生まれ)
SNS・スマホ・AIなどのデジタル環境が当たり前に存在したデジタルネイティブとして、本格的に労働市場へ参入している新世代です。柔軟な働き方、メンタルヘルス、キャリアの成長を重視する傾向にあると言われています。
3. 世代間の摩擦が生じやすい4つのポイント

働き方の違い
Z世代 (1997〜2012年生まれ) はリモート勤務やハイブリッド勤務を好む一方、X世代 (1965〜1980年生まれ) は対面でのコラボレーションを重視しがち。ミレニアル世代 (1981〜1996年生まれ) は新しい取り組みを推進しようとするのに対し、ベビーブーマー世代は過去実績ある方法を好む傾向にあります。
コミュニケーション・スタイルの違い
Z世代 (1997〜2012年生まれ) はSlackやWhatsAppなどデジタルツールによる迅速なやり取りを好む一方で、上の世代はメールや電話、対面での会話を重視する傾向にあります。
価値観と働く上での期待の違い
若い世代はメンタルヘルスや「やりがい」を重視し、年上の世代は安定性や忠誠心、組織の階層を重視します。
テクノロジーの活用
Z世代は新しいツールの習得が早いものの、他世代は変化の頻度によってはストレスが生じることも。
4. なぜ世代間対立の緩和が企業にとって重要なのか

世代間の摩擦を放置すると、職場の離職率や生産性に悪影響を及ぼします。
LinkedIn社による「2025年タレントレポート」では、シンガポールの63%のビジネスパーソンが「職場文化にサポートが感じられなければ退職を検討する」と回答。
PwC社の調査では「世代を超えた協働性が強い企業はイノベーション力が30%高い」との報告もあります。
5. 世代間のギャップを埋める!実践可能な5つのアプローチ

メンター制度の活用
ベビーブーマー世代やX世代と、若い世代をペアにして、経験と知識の双方向での共有を促しましょう。ベテランは業界知識を、若手は最新のデジタルツールやトレンドを教えることで相互理解を深められます
柔軟な働き方の選択肢
リモート勤務やハイブリッド勤務を希望する人には柔軟な働き方制度を、対面を好む人にはコラボレーションが活性化されるオフィス環境を用意すると喜ばれます
世代横断的なトレーニング
コミュニケーションスタイルやデジタルツール、共感力のトレーニングを実施することで誤解を減らせます
インクルーシブなリーダーシップ
マネージャーは世代ごとのモチベーションに合わせたマネジメントを行うことで、個々のニーズを刺激することが可能です。一般的に、各世代のモチベーションは以下のように定義されています。
X世代 (1965〜1980年生まれ) : 安定性と尊重
ミレニアル世代 (1981〜1996年生まれ) : 裁量権と成長機会
Z世代 (1997〜2012年生まれ) : キャリア支援とメンタルヘルスへの配慮
共通する価値観の強調
「尊重」「評価」「成長機会」を求めるのはどの世代にも共通します。その点を認識し、それを組織文化として打ち出しましょう
6. 最後に

今回は、日本でも雇用問題などを語る際によく取り上げられる世代の話を、シンガポールの職場にフォーカスしてお届けしました。
世代間で生じるギャップは何も特別なことではありませんが、放置すれば組織力の低下を招く要因になってしまいます。
一方で、メンタリング・柔軟性・包括的なリーダーシップを取り入れれば、多様な年齢層を包括することは組織の大きな強みにもなりえます。
世代を超えて協働できる職場文化は、企業の競争力を高め、すべての世代が輝ける環境だとも言えます。
言わずもがなこういったトピックは個人差も大きいため、言及した「くくり」を信じすぎない慎重さは忘れずに、より強い組織作りの為にぜひ参考にしていただければ幸いです。
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