シンガポール労働市場の今とこれから 2025/26年版給与ガイド解説

こんにちは。
リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。
弊社では、毎年最新の人材市場データを基に「Salary Guide(給与ガイド)」を発表しています。
つい先日、今年2025/26年版をリリースしたばかり。
そこで今回は、本ガイドのポイントと今後のシンガポールにおける採用トレンド展望を企業ご担当者・求職者の皆様に向けてわかりやすくご紹介してまいります。
【目次】
1. 2025年も底堅い労働市場、2026年は「持続的なバランス」へ
2. 業界別: 2026年に最も注目すべき人材トレンド
3. 最後に
1. 2025年も底堅い労働市場、2026年は「持続的なバランス」へ
2025年のシンガポール労働市場は引き続き堅調でした。
シンガポール人材開発省 (以降MOM) によると、2025年第3四半期には雇用者数が2万4,800人増加し、失業率も2.0%と安定しています。
一方で、回復のスピードは業界ごとに差が見られました。
医療・福祉、金融といった内需向けセクターは拡大が続いたものの、情報通信やプロフェッショナルサービスなど外需に依存する産業では伸びがやや鈍化しています。
今回の給与ガイドでは、2024年9月〜2025年9月の15業界・14万件以上のデータを基に市場分析をしました。
こうした幅広いデータを精査することで来年2026年の人材需給や賃金動向をより現実的に捉えることが可能になりました。
結果として、2026年の平均給与上昇率は約4.0〜4.3%と予測しました。
急激な成長から「持続的なバランス」へと市場がシフトしていく見通しです。
企業にとっては、単なる給与アップだけではなく、社員の定着やスキル開発を重視した戦略が求められる1年となるでしょう。
2. 業界別: 2026年に最も注目すべき人材トレンド
次に、業界別の給与上昇率予測と人材のトレンドを見ていきましょう。
ヘルスケア&ライフサイエンス: 最も力強い成長セクター
高齢化の進行や医療サービスを受けることを目的として他国へ渡航するメディカルツーリズムの需要増により、当地での医療関連の雇用は公的・民間の双方で拡大が続いています。
2026年の給与上昇率は約6%が見込まれています。
特に看護、臨床研究、バイオテック分野で人材不足が顕著です。
健康や医療に関するデータ分析を専門とするヘルス・インフォマティクスやAI診断の専門家など、デジタル医療に関わるスキルに高いプレミア感がつく傾向がより顕著になる見通しです。
IT・ソフトウェア: AIと自動化が中心軸
AI活用は引き続き採用需要の最重要テーマとなるでしょう。
中でもAIエンジニア、プロンプトスペシャリスト、データサイエンティストなどの専門職は、給与が4〜6%上昇する見込みです。
多くの企業は即戦力採用だけに頼らず、AIリテラシー向上や社内アップスキルプログラムを組み合わせて、長期的な人材確保を図っています。
金融
デジタル空間における個人や組織の信頼とESG知識が鍵金融セクターは安定成長を維持し、給与は3〜5%の上昇が見込まれています。
トークナイゼーション、AIを活用したリスク分析、ESGコンプライアンスといった分野の専門職は、市場平均を上回る条件が提示されるケースも増えています。
MAS (シンガポール金融管理局) のデジタル資産やAIガバナンスに関する新たな枠組みが整備されていることから、サイバーリスクやガバナンス人材の需要はさらに高まる見込みです。
製造・半導体: 採用より定着へ
MOMのデータによると、2025年の製造業の離職率は26%と主要業界の中で最も高い結果でした。
このため、来年2026年は採用強化よりも従業員定着の施策が重視される見通しです。
給与上昇率は約4%にとどまるものの、地域のサプライチェーン強化や先端エンジニア職の復調が安定した雇用を後押しするでしょう。
サステナビリティ&グリーンエコノミー: 全領域で需要増
シンガポールのGreen Plan 2030を背景に、ESGおよびサステナビリティ関連の求人は増加を続けています。
ESGアナリストや脱炭素アドバイザーなどの職種は2026年に平均5〜6%の給与上昇が予測されています。
このほか、エンジニア、金融、コーポレート職など幅広い領域でポジションが拡大傾向にあります。
クロスボーダー&バイリンガル人材: プレミア感は依然として強い
日本語・中国語・タイ語など、越境ビジネスに必要な語学人材の不足が続いています。
特に日本語話者には8〜30%の言語手当が付くケースも多く、金融、製造、カスタマーサポートなどで高い需要が続くと見られます。
これはシンガポールが日本とASEANをつなぐビジネス拠点であることを反映した動きだと見られています。
マーケティング・HR・専門職:ROIとスキル重視の時代へ
給与上昇率は2〜3%と控えめですが、企業は「成果に紐づく報酬」をより重視する風潮が高まっています。
特に、人事改革や企業ブランディングに関する専門家は、スキルベースの採用枠組み (SkillsFuture 2026) の普及に伴い、需要が高まるでしょう。
3.最後に
今回は、来年2026年のシンガポールにおける業界別給与上昇率および採用トレンド展望についてご紹介しました。
各業界ともに給与の伸びは落ち着く一方で、企業が求める人材像はより明確になっています。
給与上昇率が落ち着きつつある一方で、企業が求める人材像はこれまで以上に明確になり、採用市場は「早く採る」から「最適な人材を採る」へと大きくシフトしています。
上記でお伝えしたように、スキル・適応力・キャリアの持続性を備えた人材の価値はますます高まり、同時に、社員の成長を支援しながら適正な報酬を提供できる企業こそが、2026年の採用競争を勝ち抜くカギになると考えられます。
弊社の「2025/26年版 給与ガイド」(無料)をダウンロードをご希望の方はこちらよりお気軽にお問い合わせくださいませ。
また、本記事は英語でもお読みいただけます。英語版はこちら
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