【2023年第2四半期】シンガポール労働市場調査結果
こんにちは。
リーラコーエン シンガポール マーケティング担当の野上です。
これまでの暑さから一変、一日のどこかで雨が降り涼しい陽気の日も多く、早くも雨季突入の気配を感じるシンガポールですね。
早いもので、来週から10月です。
シンガポールにいると日本の秋の肌寒さをすっかり忘れてしまいがちですが、年末がすぐ近くまで来ていることに驚きを感じています。
そのような中、シンガポール人材開発省(以降MOM)は、2023年第2四半期の労働市場調査結果を発表しました。
第1四半期においては、全体的な労働市場は緩やかな拡大傾向にあったとしつつも、前四半期比ではその増加が緩やかであり、求人数と求人倍率が低下したという状況からも「労働需要の冷え込みの兆候が見られている」と懸念が上がっていました。
果たして第2四半期はどのような結果となったのでしょうか。
今回は、そんな2023年第2四半期の労働市場調査結果について、詳しくご紹介いたします。
【目次】
1.引き続き拡大傾向にあった第2四半期
2.失業率と人員削減対象者の推移
3.求人数と求人倍率
4.労働市場の今後の展望
5.まとめ
6.最後に
1.引き続き拡大傾向にあった第2四半期
ヘルパー等の移民家事労働者を除く2023年第2四半期の総雇用者数は24,300人で、7四半期連続で増加しました。
一方で、そのペースは第1四半期の33,000人増よりも緩やかでした。
また、第2四半期は非居住者が25,500人の増加であったのに対し、居住者の雇用はマイナス1,200人と減少しました。
非居住者雇用の増加は、主にコロナ禍が明けてからの勢いが続く建設業によるものでした。
国民・㏚保持者などの居住者雇用の増加については、コミュニティ・社会・個人サービスや金融・保険サービスなどの堅調な増加があったものの、主に季節需要で増員していた飲食サービスや小売業の縮小が目立ち、結果的に減少する結果となりました。
2.失業率と人員削減対象者の推移
失業者数は、2023年第1四半期の3,820人から3,200人と減少傾向にありました。
人員削減の主な理由としては、組織再編またはリストラによるものが69.9%と多かったとされています。
最も多くの人員削減が行われた業界は情報通信(IT)部門で、その主な理由は組織再編やリストラが挙げられています。
一方で、人員削減対象となった同業界出身者の再就職率は、他業界からの再雇用者に比べて69.2%と依然として高い状況でした。
3.求人数と求人倍率
求人数は第1四半期に引き続き減少しました。
2022年3月の12万6,000件を記録したピークから今年の6月には8万7,900件となりました。
また、全体の求人数の20%以上を専門サービス、情報通信、金融サービスなどの成長セクターが占めました。
求人数の減少に続き、求人倍率も第1四半期の2.28から1.94と、2四半期連続で低下しています。
今回、5四半期連続で求人数および求人倍率のそれぞれが減少したことにより、MOMは「労働需要の冷え込みの傾向が引き続き続いている」としました。
4.労働市場の今後の展望
それでは今後の労働市場の展望はどうでしょうか。
MOMは、経済の鈍化を背景に、来年にかけてもこの労働需要の冷え込みが続くことを失業率の上昇とともに示唆しています。
また、先月、通商産業省(MTI)は、「シンガポールの外需における見通しが引き続き弱い」とし、2023年のGDP成長率の予想レンジを0.5%~2.5%から0.5%~1.5%に縮小しています。
これは、先進国のインフレが予想以上に持続した結果世界的な金融引き締めが誘発される可能性があるほか、ウクライナ戦争や世界の主要国間の地政学的緊張がエスカレートする恐れがあり、世界経済の下振れリスクによるものだとしています。
また、シンガポールにおける各部門の成長見通しにも業界によって偏りが出ることを示唆しています。
特に、製造業や金融・保険業などの対外志向セクターの見通しは、外部経済環境の低迷が続いていることから、依然として弱いとしています。
一方で、航空輸送や宿泊などの航空・観光関連セクター、小売業や飲食サービスなどの消費者向けセクターの見通しは、年末にかけたイベント行事や海外旅行などのインバウンド観光の盛り上がりが続くことを鑑み、引き続き明るいとしました。
5.まとめ
MOMはレポートで、引き続き世界経済のリスクによる不透明なビジネス環境の中で競争力と回復力を維持するため、雇用する側・される側の双方がビジネスと労働力の見直し・変革を進めていくことを奨励してほしいと述べています。
また、そのために「Job Transformation Map(ジョブ・トランスフォーメーション・マップ」や各種助成金、そして「Workforce Singapore」の活用を推奨しています。
特にJob Transformation Map(ジョブ・トランスフォーメーション・マップ」は最新の16種類が出揃っており、近日中にさらに3業界が追加される予定です。
このような情報を積極的に入手しながら、ビジネスの変革を促すテクノロジーや個々の職務内容の変化のトレンドの把握をするよう求めています。
6.最後に
今回は、MOMが発表した2023年第2四半期シンガポール労働市場調査結果について詳しくお届けしました。
先行きが不透明ななか、第2四半期では引き続き労働需要の冷え込みが垣間見られる結果となりました。
採用計画を立てる上でも重要情報となるシンガポールの労働市場調査。
引き続きアップデートがあればお知らせしてまいります。
人材に関するお困りごとがあれば、弊社までお気軽にご相談くださいませ。
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