多文化社会で求められるインクルーシブな職場づくり 知っておきたい、「ハリラヤ・ハジ」とは

こんにちは。

リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。

多様な文化的バックグラウンドを持つ人々が共に生活し、働くシンガポール。

1年を通してさまざまな文化・宗教的祝日が存在します。

街中や職場でも多文化を実感される方も多いのではないでしょうか。


まさに今月末、2026年5月27日 (水) はイスラム教徒の人々にとって大切な祝祭日である「ハリラヤ・ハジ(Hari Raya Haji)」が予定されています。

シンガポールでは、居住者労働人口のおよそ15%がマレー系イスラム教徒とも言われており、職場環境においても多くの社員や取引先、候補者にとって身近な宗教行事の一つです。

また、少し前にあった「ハリラヤ・プアサ (Hari Raya Puasa) 」と名前が似ているため混同されることもありますが、実は意味や背景は大きく異なります。

ハリラヤ・プアサがラマダン (断食月) の終了を祝う祝日であるのに対し、ハリラヤ・ハジは「犠牲祭」とも呼ばれ、家族・信仰・慈善の精神を大切にする日として知られています。


シンガポールでは、こうした宗教・文化行事への理解や配慮が、「働きやすい職場づくり」や「企業文化」の一部として自然に見られる場面も少なくありません。

そこで今回は、ハリラヤ・ハジに向けて、企業として知っておきたい基本知識や実務対応、多文化社会ならではの職場づくりのポイントについて整理してまいります。


【目次】
1. おさらい:ハリラヤ・ハジ (Hari Raya Haji) とは?
2. 企業が意識したい「休暇対応」と「現場運営」
3. TAFEPが企業に求める「公平な雇用」とは
4. 候補者が見ている「インクルーシブな職場」のサイン
5. 当日に向けて確認しておきたいポイント
6. 最後に


1. ハリラヤ・ハジ (Hari Raya Haji) とは?

ハリラヤ・ハジは、イスラム教における「犠牲祭」を指し、イスラム暦の中でも特に重要な祝祭の一つです。

当日は、モスクで礼拝を行ったり、家族や親族と集まって食事や時間を共に過ごしたりするほか、慈善活動や寄付を行う人も多く見られます。

また、イスラム教の聖地メッカへの巡礼 (Hajj) に関連する特別な時期でもあります。

このため、家族の中に巡礼へ参加する人がいる場合にはそのサポートや見送りなどが行われることも。

ラマダン明けを祝う「ハリラヤ・プアサ (Hari Raya Puasa) 」ほど街全体が長期休暇ムードになるわけではないものの、多くのムスリム社員にとっては、家族や信仰を大切にする重要な時期の一つです。

このため、企業側にも、祝日当日だけでなくその前後を含めた休暇取得や働き方に対して、一定の柔軟な配慮が求められる場面があります。


2. 企業が意識したい「休暇対応」と「現場運営」



祝日前後の有給取得への対応

実際の職場では、ハリラヤ・ハジの前後に有給申請が入るケースも少なくありません。

例えばその理由は、家族行事への参加や親族との集まり、あるいは巡礼に関連するサポートなど、宗教行事ならではの背景がある場合もあります。

もちろん企業としては業務とのバランスを取る必要がありますが、業務に大きな支障がない場合には、通常の有給申請と同じように公平に対応することが望ましいとされています。


小さな声掛けが職場の安心感につながることも

実際に社員本人、あるいはその家族が巡礼に関わるケースもあります。

制度として特別な対応が必要というわけではありませんが、配慮のある自然な声掛けが社員に安心感を与えることもあります。

シンガポールでは、このような「さりげない配慮」が、マネジメントのあり方や職場文化の一部として見られる傾向があります。

大きな制度を整えることだけではなく、日常のコミュニケーションの中に理解を感じられるかどうかも、働きやすさにつながっているのかもしれません。


人手不足時こそ「公平性」が重要に

祝日前後は、複数の社員から同じタイミングで休暇希望が出ることもあります。

そのような時こそ、早めにシフト調整や業務カバー体制を整えておくことが大切です。

また、一部の社員だけに負担が偏らないよう配慮することもチーム運営では重要なポイントになります。

特にシンガポールでは、「宗教行事だから優先順位を下げる」と受け取られかねない対応は避けるべきとされています。

休暇をどのように扱うかという実務面だけでなく、「休暇が公平に運用されているか」そのものが企業文化として見られているということも意識しておきたいポイントです。


3. TAFEPが企業に求める「公平な雇用」とは

シンガポールでは、Tripartite Alliance for Fair and Progressive Employment Practices (TAFEP) が、公正な雇用慣行に関するガイドラインを出しています。

TAFEPでは、宗教・人種・国籍などによる差別を行わないことはもちろん、宗教関連の休暇申請を公平に扱うことや、面接時に宗教について質問しないことなども重要視されています。

また、ハラスメント防止や、求人票に不要な国籍・文化条件を記載しないことも、企業に求められる基本的な考え方の一つです。

特に採用活動では、企業側が意図していなくても、「特定文化への適応」を前提にした表現になってしまうケースがあります。

そのため近年では、求人票や面接内容を改めて見直し、「本当に業務に必要な条件なのか」を確認する企業も増えている傾向にあります。


4. 候補者が見ている「インクルーシブな職場」のサイン

シンガポールでは、候補者が企業文化や働く環境との相性を重視する場面も増えています。

特に、企業とのタッチポイントを通して「この会社は自分が安心して働ける環境か」を自然にチェックしているケースも少なくありません。

例えば、社内イベントや面接時のランチで、ハラル対応メニューが自然に用意されているかどうかは、小さなことのようで実はよく見られているポイントです。

事前確認がスムーズだったり、「特別対応」という雰囲気を出さずに選択肢として用意されていたりすると、それだけで安心感につながることがあります。

「必要なら後から対応する」ではなく、「最初から選択肢に含まれている」という姿勢がポイントとなります。


ほかにも、小会議室を一時的に利用できるようにしたり、静かなスペースを確保したりと、柔軟な形で礼拝への配慮を行っている企業も少なくありません。

大掛かりな設備を整えるというよりも、「理解があるかどうか」が重視される傾向があります。

また、社員側としても、「相談しやすい空気感があるか」を見ているケースは多いようです。


5. 当日に向けて確認しておきたいポイント

ハリラヤ・ハジに向けては、事前に少し確認しておくだけでも現場運営がスムーズになることがあります。

例えば、誰が休暇取得を予定しているのかを早めに把握し、重要業務への影響が出ないようカバー体制を整えておくこと。

また、祝日当日に最終面接や重要会議を設定していないか、スケジュールを見直しておくのも良いでしょう。

社内イベントを予定している場合には、ハラル対応を含めた食事内容を確認しておくと安心です。

加えて、マネージャー層へTAFEPや宗教配慮に関する基本認識を簡単に共有しておくだけでも、現場でのコミュニケーションがスムーズになるケースがあります。

このタイミングで、求人票の内容を改めて確認し、不要な国籍・文化条件が含まれていないか見直してみるのも良いかもしれません。


6. 最後に

今回は、2026年のハリラヤ・ハジに向けて、シンガポール企業が知っておきたい実務対応や、多文化社会ならではの職場づくりについて整理してまいりました。

シンガポールでは、多文化・多宗教環境への理解は「あれば良い配慮」ではなく、企業ブランドや採用競争力にも関わる重要な要素になっています。

特に近年は、候補者が企業文化を慎重に見極める傾向が強まっており、休暇への対応や日々のコミュニケーション、多様性への理解など様々な場面が企業イメージにつながっています。

大切なのは、特別な制度を急に整えることだけではなく「相手の背景を自然に尊重できるか」という姿勢なのかもしれません。

多文化社会であるシンガポールだからこそ、「誰にとっても働きやすい職場」を少しずつ整えていくことが、これからますます重要になっていくでしょう。

本内容が少しでもご参考になれば幸いです。
 

===============

日系の人材紹介会社リーラコーエン シンガポールは、

シンガポールでのフルタイムやパートタイムでのお仕事紹介だけではなく、あなたに合わせたキャリア構築・面接対策などを無料で承っております。

納得のいく転職を、経験豊富なキャリアコンサルタントが最後までご支援させて頂きます。

シンガポール国内転職・キャリアアップに興味をお持ちの方は、是非お気軽にご相談くださいませ。

★☆最新求人方法はこちらから★☆

また、就労や生活情報など、シンガポールでの時間をより豊かにするための最新情報をブログにてお届けしています。

どうぞお見逃しなく!

シンガポール転職に関する記事はこちらから
シンガポール生活情報の記事はこちらから
シンガポールでの子育てに関する記事はこちらから

フェイスブックや公式Instagramでもお役立ち情報を配信しておりますので、是非いいね・フォローをお待ちしております。
 

>>ついにチャンネル登録者4,300名突破<<<

シンガポール拠点とその他アジア拠点からお届け!

動画で"海外で働く・生活する"を知る、Reeracoenチャンネル

ぜひチャンネル登録・イイね!を宜しくお願い致します。