パーパスを軸にしたリーダーシップ グループCEO 内藤兼二インタビュー

こんにちは。
リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。
採用の現場では今、「選択肢の多さ」が新たな難しさとして語られるようになっています。
企業にとっては、数あるチャネルや候補者の中から自社に本当に合う人材を見極めること。求職者にとっても、多くの情報や機会の中で自分にとって納得のいく選択をすること。
どちらにとっても、以前よりも意思決定の難易度が高まっていると言えるでしょう。
こうした状況のなか、単なるマッチングにとどまらない、より本質的な関係性のあり方が、少しずつ重要視されるようになっています。
当グループCEO 内藤兼二は、20年以上にわたり、パーパス (目的)・継続・人とのつながりを軸に、こうした関係性の構築に尽力してきました。
本記事では、内藤へのインタビューを通じて、その歩みやリーダーシップの考え方をひもときながら、採用やキャリアに向き合ううえでのヒントを探ってまいります。
ゼロから1万1,000社へ:継続の中でかたちづくられたグループの歩み
Q:リーラコーエンでの経験を振り返って、ご自身の歩みを形づくった転機や体験について教えてください。
私がリーラコーエンに最初に関わったのは、シンガポール拠点の設立からマレーシア拠点の立ち上げでした。
当時はブランド認知もなく、サービスも確立されていない、前例のない環境からのスタートでした。
強みは自分たちでつくるしかない-。
そして自分自身がその強みになる必要があると考えていました。
採用や育成、サービスの質を一つひとつ高めていくことに向き合ってきました。
その後事業はアジア各地へと広がり、2019年には17拠点にまで拡大しました。
後の新型コロナウイルスのパンデミックでは、一部市場からの撤退や事業の見直しなど、これまでの前提を問い直す局面も経験しました。
そうしたなか、私の中に残ったのは「継続」に対する考え方でした。
やめることは簡単ですが、続けることは難しい。企業でも個人でも同じだと思います。
ただ、その積み重ねが、結果として信頼につながっていくのではないでしょうか。
現在、弊社リーラコーエングループはアジアで1万1,000社以上の企業と関わりを持っています。
こうした広がりも、一つひとつの積み重ねの延長線上にあるものと言えそうです。

リーダーシップは、自分のためではない
Q:現在のリーダーシップ哲学についてお聞かせください。
リーダーシップは、自分のためのものではなく、常に他者に向いているものだと思っています。
お客様、社員、ビジネスパートナー、ステークホルダー、あるいは社会など、その対象はさまざまです。
自己起点ではなく、他者起点であること。その状態にあるときに、最もモチベーションが高まります。
こうした考え方は、グループ全体で共有されている6つの価値観「Reeracoen Way」のベースにもなっています。
日々の意思決定や行動の中で、社員一同が繰り返し立ち返る指針の一つとして位置づけられており、こうしたスタンスは、社員がクライアント企業様や求職者様と向き合う日々のコミュニケーションにも心がけられています。


One Reeracoen:ひとつのチームとして
Q:「One Reeracoen」はどのような意味を持ちますか。また、今後チームに期待することを教えてください。
当グループはひとつのチームであり、共同体であると捉えています。
これまで「グループ」と「チーム」の違いについて話してきましたが、チームには共通の目的や目標、そして目指す未来があります。
その考え方は、日々の実践にもつながっています。個々の違いを尊重しながらも、共通の価値観のもとで協働していくこと。
一人ひとりがそれぞれの個性を持ちながら、顧客や仲間との関係性を大切にし、挑戦し続けてほしいと考えています。
こうした積み重ねが、組織としての一体感を支えています。
採用の未来:人は最終的に「人」を選ぶ
Q:AIの台頭や働き方への期待の変化を踏まえ、採用業界の今後をどのようにご覧になっていますか。また、企業が人材を見極め・育成するうえで求められる変化について教えてください。
AIの活用が進む中で、採用を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。
一方で、その変化の中には新たな難しさも生まれています。
例えば、日本では、1つのポジションに対して70〜80社の人材会社が関わるケースもあります。
各社が同じ求人を扱い、生成AIを使ってスカウトを送ることで、求職者には似たような情報が大量に届きます。
問題の本質は、求人にアクセスできないことではなく、選びきれない状態にあることだと思います。
その結果として生じるのが、情報疲れです。
最終的には、人に相談するケースが増えていくのではないでしょうか。
だからこそ、テクノロジーとあわせて、コンサルタント一人ひとりの個性や価値観を発信し、共感される存在になる必要があります。
企業側にとっても、この変化は他人事ではありません。
AIを活用した選考手法が広がる一方で、対面でのコミュニケーションや多面的な評価の重要性は引き続き意識される場面が増えています。
従来の面接にとどまらず、実務に近い形での評価や日々の関わりの中でのフィードバックなど、人と向き合う機会をどう設計するかが重要だと考えます。
人材を育てる仕組みと定着を生み出すエンゲージメント設計を持つ企業が、持続的に成長していくでしょう。
人材を育てる仕組みと、定着につながる関係性をどう築いていくか。
その両方に向き合うことが、これからの企業にはますます大切になると思います。
ビジネスを超えたパーパス:「楽しいから、続けられる」
Q:人材紹介業だけでなく、学生時代に立ち上げたチャリティ団体「+One (プラスワン)」のような地域貢献活動は、リーダーとしての考え方にどのような影響を与えていますか。
2003年に始まったチャリティ活動「+One (プラスワン) 」は、フィリピンの児童施設への訪問をきっかけにスタートしました。
現在では複数の国に広がり、これまでにリーラコーエンのメンバーも30名以上参加しています。
よく「ボランティアをして偉いですね」と言われますが、そうではありません。
理由はシンプルで、楽しいからです。人が喜ぶ姿を見ることが、何よりも楽しい。だから続けられるのです。
この感覚は仕事にも通じるものだと思います。
楽しさがなければ続けることは難しい。
パーパスとパフォーマンスを対立するものではなく、分かちがたいものとして捉える考え方は、リーラコーエン全体にも通底しています。

チームへのメッセージ
Q:グループ全体のコンサルタントおよびスタッフへ、メッセージをお願いします。
社員の皆さん、いつも本当にありがとうございます。
拠点が広範囲にあることで直接会える機会が限られ、一人ひとりと十分に向き合いきれていないと感じることもあります。それでも、皆さんの取り組みには日々支えられています。
その上で、チームに向けて次のようにお伝えします。
ぜひ積極的にお客様と関わり、自分の経験や考え、価値観を伝えていってほしいと思います。
お客様は複数の人材会社と関わっていることも多いですが、その中で皆さん一人ひとりがリーラコーエンとしての価値を届けていくことでナンバーワンになれるのだと信じています。
自信を持ってください。
必ずできます。
そして一緒に、素晴らしい未来をつくり続けていきましょう。

未来に向けて:つながりの先にあるもの
Q:今後、リーラコーエンとして、あるいは個人として実現したいことについて教えてください。
「期待あふれる輪を創りだし、一人でも多くの人たちを幸せにする」
各国で信頼され、選ばれる存在であり続けたいと考えています。
人材紹介にとどまらず、評価制度やHRフレームワークなど、人に関わる領域全体で価値を提供していきたいと思っています。
また個人に対しても、転職支援に限らず、その方の人生に長く寄り添えるパートナーでありたいと考えています。
編集後記:
今回のインタビューを通じて特に印象的だったのは、どのテーマを語る場面でも、内藤自身の言葉の中心には常に「人」があったことでした。
事業の拡大やAIの進化、採用市場の変化について語りながらも、内藤の視点が常にその先にあるクライアント企業様、求職者様、そして弊社社員や社会へと向けられていました。
変化が多く、大きな時代だからこそ、改めて「人と向き合うこと」の大切さを考えさせられるインタビューとなりました。
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