シンガポールで大人気!「ラブブ」旋風から企業やビジネスパーソンが学べること



こんにちは。

リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。

2025年6月28日早朝5時半。オーチャードのど真ん中「ION Orchard」の前には160人以上の人々が長蛇の列を作っていました。

お目当ては、キャラクター「Labubu(ラブブ)」シリーズの新商品「Wacky Mart」です。


イスを持参する人、TikTok用に撮影をする人、期待に胸を膨らませるファンたち…。

数時間後には商品が完売し、SNSには開封動画や喜びの投稿があふれました。


最近シンガポールを始め東南アジアで絶大な人気を誇り、この熱狂を呼んだ愛くるしいキャラクター「ラブブ」。

単なるおもちゃの枠を超えたこのポップカルチャー現象は、シンガポールのビジネスや働き方にも多くのヒントを与えてくれます。


今回は、そんなラブブ旋風から私たちシンガポールの企業やビジネスパーソンが学べることについて考えていきたいと思います。


【目次】
1.そもそも「ラブブ」とは
2.なぜラブブはこれほど人気なのか
3. 「これからの時代を創る」企業へのヒント
4.「小さな感情を大切に」ビジネスパーソンが学べること
5.最後に


1.そもそも「ラブブ」とは

そもそも、ラブブとは、2015年に香港のアーティスト、カシン・ロン氏が制作した絵本シリーズ「the Monsters」に出てくるキャラクターです。

設定では、ラブブは北欧の森に住む小さなエルフの一族のひとり。

鋭く尖った耳と、トレードマークである9本の歯を持ち、体長はちょうど猫ほどだそう。

好奇心旺盛で、ちょっぴりイタズラ好きな性格が魅力とされ、世代を問わずファンを引き寄せています。


グッズを手がけるのは現在ではオンライン販売に加えシンガポールを含む30カ国以上にわたり直営店舗500店以上、自動販売機2,300台以上を展開する中国のトイメーカー「Pop Mart(ポップマート)」です。

箱を開けるまで何が入っているか分からない「ブラインドボックス」形式で販売されているのが特徴です。

発売されてから、K-POPアーティストや世界のセレブリティが身に着けていたことから一気に人気に火が付き、今では社会旋風を巻き起こすほどに。


こうした熱狂ぶりは数字にも表れています。

同社が手がけるラブブの「The Monsters」シリーズは2024年前半だけで8,700万米ドル(約1億2,000万シンガポールドル)を売り上げ、同社株価は過去1年で500%以上も上昇。

中国や東南アジアではラブブのパロディ商品「Lafufu」まで登場し、カルチャー的影響力はますます世界中で拡大しています。


では、ラブブがここまで愛される理由とは何なのでしょうか。


2.なぜラブブはこれほど人気なのか

ラブブ人気の背景には、いくつかの要因があると考えられています。

まず注目すべきは、「サプライズ」と「希少性」をうまく活用している点。

前述した通りラブブの商品はブラインドボックスという形式で販売されており、箱を開けるまで中にどのデザインが入っているか分かりません。

この「何が出るか分からないワクワク感」と、レアアイテムを求めるコレクター心理が、繰り返し購入したくなる動機を生み出しています。

日本のガチャポンのようなノスタルジーを感じるこの手法に加え、さらには数量限定の販売や行列必至の販売スタイルといった「手に入りにくさ」が、商品の価値をより一層引き上げています。


また、セレブリティやSNSの影響力も見逃せません。

シンガポールでも大人気のK-POPアイドルグループ「BLACKPINK」のメンバーLISAがラブブを手にしていたことから話題に火が付き、TikTokやInstagramなどのアルゴリズムの後押しを受けて、特にZ世代や若手社会人層の間で爆発的に拡散されました。

最近ではラブブのマスコットを汚さないようなカバーやアクセサリービジネスも加熱しています。

こうした影響力の波に乗りながら、ラブブは単なるフィギュアから、ライフスタイルの一部として受け入れられる存在へと進化しています。

 

さらに、ラブブの人気を支えているのは「体験価値」の高さです。

ION Orchardでの販売イベントは、商品を購入するだけの場ではなく、参加型体験として設計されていたそう。

行列に並ぶ中で見知らぬファン同士が交流し、SNSでその様子を発信することで、一種のコミュニティが自然と形成され、影響力を増していきます。

Pop Martは、こうしたリアルな熱狂を巻き起こす仕掛けを通じて、単なるモノの販売ではなく「思い出に残る瞬間」を提供することに成功しているのではないでしょうか。


3.「これからの時代を創る」企業へのヒント

ラブブ現象は、消費者の心をつかむマーケティング手法やブランド戦略のヒントに満ちています。

今回のようなPop Martのアプローチは、業種を問わずシンガポールの企業にも応用可能ではないでしょうか。


たとえば、商品の「希少性」を上手に演出することは、多くのビジネスにとって有効な戦略と言えるでしょう。

飲食やファッション、サービスなど、どの分野でも「数量限定」「期間限定」「先行アクセス」といった仕掛けを取り入れることで、消費者の興味や購買意欲を高めることができます。

Pop Martが成功したように、今買わないと手に入らないという感覚は、強力な動機づけにもなります。


また、単に商品を売るのではなく、商品を購入する顧客をブランドの推進者として「巻き込む」姿勢も大切だと言えます。

Pop Martは、ファンとの関係性を深めることにより発生するSNSでの拡散やコミュニティ形成を促しています。

同様に、企業も既存の顧客や社員の熱量を活かし、「応援したくなるブランド」を築いていくことが重要ではないでしょうか。


さらに、商品やサービスの提供そのものを「イベント」や「体験」に変える工夫も効果的です。

今回シンガポールでのラブブの新作販売を体験型イベントとして成功を納めたように、製品のローンチやPR、社内イベントに「楽しさ」や「消費者の記憶に残る瞬間」を取り入れることで、企業活動そのものが話題になりファンの定着にもつながります。


4.「小さな感情を大切に」ビジネスパーソンが学べること

このようなブランドづくりやマーケティングの背景には、ラブブが人々の「感情」に訴えかける存在であるということも特筆すべきポイントです。

ラブブは、人々が生活するために「必ず必要なもの」「あると便利なもの」といった機能性ではなく、「感情的な価値」によって支持されています。

何かを好き、という感情や情熱は時に大きな力になります。人々は何に共感し、どうすれば「好き」という感情を動かせるのか。ビジネスパーソンとして、自身が進める仕事やプロジェクトを「好き」であることは仕事の質に大きく影響するのではないでしょうか。


また、大規模なプロモーションやキャンペーンだけでなく、消費者一人ひとりに対する「マイクロ体験」に目を向けることも大切です。

今回のラブブ旋風に一躍買ったSNSでの「共有したい瞬間」の創出は、人の心に強く残ることがあります。

仕事においても「ちょっと嬉しい」や「少し気になる」といった小さな感情の積み重ねが、最終的に大きな信頼や愛着、そして成果へ繋がるのではないでしょうか。


最後に、文化や流行に対するアンテナの感度もこれからのビジネスパーソンにとって大きな強みとなります。

Pop Martのように、アニメやK-POP、スナック(お菓子)モチーフなど、Z世代が好むトレンドを的確に捉える力は、マーケティングやUXデザイン、小売戦略など、あらゆる領域で差別化につながります。

常に「今、何が人々の心を動かしているのか?」という視点を持ち続けることが、変化の早い時代を生き抜く武器になるはずです。


5.最後に

今回は、社会現象となったラブブ旋風から企業やビジネスパーソンが学べること、というテーマでお届けしてまいりました。

ラブブという小さなキャラクターから広がった社会現象は、単なるブームではなく、現代ビジネスの本質を映し出しているように思います。

ブラインドボックス形式による販売手法、SNSでの圧倒的な拡散力、ファンを巻き込んだ体験型イベントの仕掛け、そして「推される」ブランドとしての存在感。

これらすべてが、企業にとっても個人にとっても学ぶべきヒントにあふれています。


リーラコーエンシンガポールでは、引き続き変化の早いビジネス環境に対応できる人材の採用やキャリア支援のお手伝いを行ってまいります。

話題を生む「仕掛け人」を探している企業ご担当者様、またはトレンドを武器に新たなキャリアに挑戦したい求職者の皆様。

ぜひお気軽に弊社のアドバイザーへご連絡くださいませ。

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