キーワードで見る、シンガポール転職最前線

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

本格的にコロナ禍が明け、人々の往来が活発化した2023年も、残り3か月となりました。

月日が経つのはあっという間ですね!

そんな中、シンガポールでは人材市場にも大きな動きが出てきています。

そこで今回は、シンガポール転職を目指す今、知っておきたい内容を3つのキーワードで簡単にご紹介したいと思います。


【目次】
1.COMPASS制度
2.売り手市場
3.FWA (フレキシブルワークアレンジメント)
4.最後に

 

1.COMPASS制度

昨年、突然制度の概要が発表されてから、徐々に情報のアップデートが入りながらその全貌が明らかになったCOMPASS。

すでにご存知の方も多いのではないでしょうか。

外国人がシンガポールで就労するために必要となるビザの代表格であるエンプロイメントパス(通称EP)を得るための審査として、先日9月1日から導入されました。

COMPASSとは「Complementarity Assessment Framework」の略称。

「全てのEP申請に対し、平等かつ透明な審査をするために明確な基準を設ける」ために導入されました。

開始時期はビザの新規申請の場合は2023年9月1日以降、そして既存EPを更新するための申請は来年の9月1日以降適用となります。

なお、月収22,500SGD以上、もしくはICTや1ヶ月未満の短期雇用の場合はCOMPASS審査の対象外です。


COMPASSの項目と評価基準について

それでは、実際にどのような審査項目があるのでしょうか。

詳しく見てみましょう。

「C1:給与」「C2:学歴」「C3:国籍多様性」「C4:ローカル雇用の促進」の4項目がベース評価基準として設定されています。

また、追加項目として、「C5:スキルボーナス(人材不足職種リスト)」「C6:戦略的経済優先ボーナス」がボーナスポイントとして加算されます。

EPを申請する際にはⅭ1からⅭ6の項目におけるポイントが、合計40ポイントを上回らなければなりません。

各項目の詳細と評価基準は以下の通りです。
 

<COMPASS項目詳細>

<評価基準とポイント>

※PMET: Professionals, Managers, Executives and Techniciansの略称


また、COMPASS制度だけではなく、これまでと同様、最低月額給与の設定もあります。

EPの場合は、最低月額給与条件も月額5,500シンガポールドル以上に引き上げられており、C1項目については、この金額をベースに個人の年齢や学歴に合わせた最低月額給与を算出する必要があります。

Ⅽ2項目については、いわゆる学位・学歴の評価となります。

20点満点を獲得できる「トップクラスの教育機関」については、アジアまたはシンガポールにおける一部の大学(日本の大学は東京大学、京都大学、東京工業大学、東北大学、大阪大学が対象)や、一年ごとに発表されるQS 世界大学ランキングに基づき毎年選出される予定です。


なお、学歴詐称などの不適切なEP申請を防止するため、大学から発行される卒業証明書や成績証明書に加え、シンガポール政府が指定する第三者機関による学歴証明も必要になっています。


これまでのEP申請では、EP申請者個人がEPの取得条件を満たしているかどうかのみが審査されていました。

ご覧の通りCOMPASS導入後は企業における国籍多様性やローカル人材の雇用状況も審査対象となった、ということが大きな変更点となります。


Sパス最低給与額の変更も

また、覚えておきたいのは、EPビザに加えシンガポールの就労ビザのもう一つであるSパスについても、COMPASSと同様9月1日より取得にあたる最低月額給与が引き上げられているということ。

これまで、金融サービスセクターを除く新規Sパス申請の場合の最低給与額は3,000ドルでしたが、2023年9月1日以降は150ドル引き上がり、3,150ドルになりました。

金融サービス業界の場合は3,500ドルから3,650ドルへ変更されました。

すでにSパスで就労しており、更新するというの場合は来年9月1日からの適用となります。

Sパスも年齢によって金額が段階的に増加する仕組みとなっているのが特徴です。

なお、最低月額給与の引き上げは再来年の2025年9月1日にも最終引き上げを予定しており、金額については追って発表される予定です。

就労ビザに関する詳しい内容はこちらのブログもご参考くださいませ。


2.売り手市場

次にご紹介したいキーワードは「売り手市場」です。

シンガポールでは、コロナ禍から徐々にニューノーマルへと移行し始めた2021年後半以降、売り手市場が続いています。

直近の求人倍率も2前後で推移しています。

これは、求職者1人に対して2つ以上の求人があるということを意味します。

ビザの厳格化はあるものの、全体を見るととても有利な状況にあると言えます。

 

それでは、この先の見立てはどうでしょうか。

人材省によると、今年3月時点の求人数は99,600件で、4四半期連続で減少の一途を辿る結果となったそうです。

求人数の内訳としては、主にIT/情報通信で8,100人、医療・福祉で7,800人、専門サービスで7,700人、ファイナンシャルサービスで6,300人と、シンガポールで今後成長する見込みの業界の求人が多くなっています。

また、求人倍率は2.28倍と依然として高水準ではあるものの、前四半期12月時点の2.33倍と比較すると僅かに低下しています。

雇用人数の総数は増加しているものの、前四半期比ではその増加が緩やかであること、また求人数と求人倍率の低下という状況を鑑み、MOMは「労働需要の冷え込みの兆候が見られている」という見解を示しています。

売り手市場の状況下ではあるものの、チャレンジしたいキャリアをすでに思い描いている方は、なるべく行動することをおすすめいたします。


3.フレキシブルワークアレンジメント

新型コロナウイルスが私たちの生活にもたらした大きな変化の一つである「働き方」。

従来の出社をするというスタイルだけではなく、在宅・リモートワークやフレックス制など、様々な働き方に注目が集まり、現在も継続している企業が多く存在します。

特にシンガポールではMOMの取り組みの1つとして、「フレキシブルワークアレンジメント(FWA)」というガイドラインのような指針があり、各企業へ積極的な働きかけを行っています。

このフレキシブルワークアレンジメント、直訳すると「柔軟な勤務形態」ですが、実際にどのような内容が推奨されているのでしょうか。

大まかには以下の3種類へ分類されます。


1.フレックスタイム(時間)
2.フレキシプレイス(場所)
3.フレキシロード(業務量)


例えば9時~18時の就業時間という観点だけではなく、業務量に応じて勤務時間を柔軟にしたり、生活スタイルに合った働き方の一環としてリモートワークを推進したり。

従業員が個人の裁量で最大限のパフォーマンスを行う土台醸成を推奨しています。

特に、リモートワークの有無などについては弊社にも多くのお問い合わせを頂きますが、前述したような背景から柔軟な働き方を推奨する企業も増えています。

ご自身の生活スタイルに合った働き方とはどのようなものなのか。

これからは転職を検討する際の条件の1つとして、理想的な働き方も検討できることはありがたいですね。

FWAの内容について詳細はこちらのブログもご覧ください。


最後に

今回は、シンガポール就労の今を語るうえで欠かせないキーワードを3つお届けしました。

シンガポール就労を目指す場合、就労ビザ取得のためにどのような対策を取るべきかの検討はもちろんのこと、刻一刻と変わる最新情報の把握がとても大切になってきます。

今回ご紹介したように、EPの取得は審査の目が厳しくなることで日本人向けの採用、特に求人数への影響が考えられます。

また、求められる経験や英語力などの採用ハードルが上がり、競争率が高くなることが予想されます。

その一方で、人材市場自体は売り手市場です。チャンスを逃さないためにも、シンガポール就労にご興味がある場合は、ぜひお気軽にご自身のスキルや就労条件にマッチする求人があるかお問い合わせいただければ幸いです。

様々なバックグラウンドを持つ経験豊富なキャリアコンサルタントが対応させていただきます。

皆様のシンガポールでのキャリアを成功させる上で、就職活動の負担を少しでも軽減し、共に伴走するパートナーとしての役割を担えたら幸いです。

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