シンガポールはなぜ23位?世界都市ランキングから読み解く採用市場と転職動向 (2026年4月)

こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。

2026年3月、約150都市・24,000人以上を対象とした調査に基づく「世界のベストシティ・ランキング」が発表され、シンガポールは23位にランクインしました。

好意的な結果に見えますが、この順位はシンガポールの現状を正しく理解する上で、重要な示唆を含んでいます。

内容を見ていくと、インフラや安全性、生活の質といった基盤面では引き続き高い評価を得ている一方で、「生活コストの上昇」や「ライフスタイル面での課題」といった現実的な問題も浮き彫りにしています。

またこれらの要素は単なる住みやすさにとどまらず、企業の採用戦略や求職者のキャリア選択にも大きな影響を与えています。

本記事では、ランキングの背景にあるデータとともに、現在のシンガポールの採用市場と転職動向について解説してまいります。


【目次】
1.「世界で最も優れた都市」ランキングから見るシンガポールの立ち位置
2. 課題はコストとライフスタイルにあり?
3. 現在のシンガポール採用市場から見ると…
4. 最後に

 

1.「世界で最も優れた都市」ランキングから見るシンガポールの立ち位置

世界中の都市の「遊び・文化・ライフスタイル情報」を発信するメディア『Time Out』が発表した、「世界で最も優れた都市」ランキング (Time Out Best Cities 2026) 。

世界の都市に暮らす約24,000人、また100人以上の都市専門家を対象にしたこの調査は、食、文化、生活費、幸福度、ナイトライフ、街全体の雰囲気など、さまざまな観点で都市についてヒアリングをしたものです。

当ランキングにおけるシンガポールの結果は以下の通りでした。

 世界都市ランキング:23位
 公共交通の満足度:93% (世界最高水準!)
 緑地:世界13位
 生活の質・幸福度:世界9位

この結果から見える、シンガポールの強みとは、このようなものでした。

 ・公共交通の利便性が非常に高い
 ・歩きやすく整備された都市設計
 ・緑地や生活環境の質が高い


これらは単なる住民にとっての「住みやすさ」ではなく、企業にとっても重要なポイントとなっています。

というのも、「通勤アクセスの良さ」は人材市場の広がりを意味し、「生活満足度が高い」ことは定着率や生産性の向上につながります。

都市の住みやすさ=ビジネスのしやすさ、と言えるかもしれません。
 

併せて、ここでは弊社リーラコーエンによる市場調査結果もご紹介します。

 2026年の平均賃上げ率:4.0〜4.3% (鈍化傾向) *Reeracoen Salary Guide 2025/2026より
 製造業の離職率:26% (高水準) *Reeracoen Salary Guide 2025/2026より
 「優秀な人材確保に自信あり」と答えた採用担当者:23.2% *Reeracoen Hiring Manager Survey 2025/2026より
 採用が活発な業種:製造業、銀行・金融サービス、貿易・流通、専門サービス、および国境を越えた調整業務 *Reeracoen Hiring Pulse 2026年第1四半期より

 

2. 課題はコストとライフスタイルにあり?

世界の大都市に匹敵する評価を得た一方で、見逃せない課題もあります。
 

生活コストの高さ

シンガポールの生活費の上昇は、生活者視点だけでなく、企業と求職者双方から見ても影響を及ぼします。

企業側はコスト増の影響で従業員の給与を上げにくくなる一方、求職者側は依然として高い給与水準を期待しており、その結果として両者の間にギャップが生じる構造となっています。

このギャップは採用活動の長期化や早期離職の増加につながっており、実際に製造業では離職率が26%と高い水準に達しています。


ライフスタイル面での弱さ

シンガポールのナイトライフにおける評価は世界90位と相対的に低く、特に若手人材を惹きつけるにあたっての課題となっています。

バンコクやソウルといった他のアジア都市と比較される中で、「生活の楽しさ」という観点での競争は激化しています。

アジア主要都市との比較では、ランキング上位には以下の都市が並びます。
 ・バンコク (8位)
 ・ソウル (9位)
 ・東京 (10位)
 ・香港 (15位)

これらの都市にはそれぞれ異なる強みがあり、東京やソウルは文化や食の魅力、バンコクはコスト面や娯楽の充実度で評価されています。
 

一方でシンガポールは、安定性やキャリア機会の豊富さに強みがあります。

特に地域統括拠点が多く、金融やサプライチェーンといった分野で中核的な役割を担っている点から、中堅から上級職のプロフェッショナルにとっては依然として有力な選択肢と言えるでしょう。

シンガポールならではの強みはありますが、もはや「自然に人材が集まる都市」とは考えられなくなってきており、企業側もより戦略的な採用対応が求められています。


3. 現在のシンガポール採用市場から見ると…



シンガポール企業向けインサイト

今のシンガポール採用市場では、給与だけでは人材を確保できなくなってきています。

給与はもちろん重要なファクターであり続けながら、今、求職者が重視するポイントとしては以下のようなものがあります。

 ・福利厚生
 ・ワークライフバランス
 ・柔軟な働き方(在宅勤務など)
 ・キャリア成長の機会
 ・市場に合った給与設定
 ・非金銭的価値(柔軟性・成長機会)の強化
 ・採用期間の長期化を前提とした計画

これらを念頭に採用ブランドを強化の必要が出てきています。


シンガポール転職希望者へのインサイト

シンガポールは依然としてキャリア構築に適した都市であるものの、成功のためには戦略的なアプローチが重要です。

まず、給与交渉においては市場の相場を正しく理解することが不可欠であり、あわせて給与以外の条件についても自分の優先順位を明確にしておく必要があります。

また、採用が活発な業界を見極めて応募先を選ぶことや、他都市との比較を前提に意思決定を行うことも重要なポイントとなります。

需要が高い分野としては製造、金融、貿易・流通がありますが、日本人人材の場合は金融系職種、IT / 経営コンサルタント、営業職、専門職 (法務 / 会計) の求人が多くを占めています。

これらの分野にスキルや経験を持つ人材は、比較的有利にキャリアを進めることができるでしょう。


【関連記事】採用は止めるべき?いま、シンガポールの人材市場で起きていること

 

4. 最後に



今回のブログでは、『Time Out』による「世界のベストシティ・ランキング」からのシンガポールの現在の立ち位置についてお届けしてまいりました。

シンガポールの「23位」という結果は、手放しで喜ぶものでもなければ、焦るべき状況でもない、いわば中間的な位置づけと言えます。

このようなニュートラルな立ち位置の中でシンガポールが成果を上げるためには、企業・求職者の双方において正確な市場理解が不可欠です。

企業にとっては、実態に即した採用戦略や魅力的な雇用条件の設計が求められ、求職者には現実的な視点でキャリア選択を行うことが重要になってくるでしょう。
 

ランキングはあくまで一つの参考指標に過ぎません。

重要なのは、こうした市場の動きを正しく読み取り、適切に行動することだと言えます。
 

弊社リーラコーエンは、現場に基づいたリアルな情報とデータをもとに、企業と求職者双方にとって最適な意思決定を支援してまいります。

シンガポール市場における採用やキャリアに関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
 

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