【2025年第4四半期・総括】シンガポール労働市場調査結果

こんにちは。
リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。
先日の3月20日、シンガポール人材開発省 (以降MOM) は、前回の速報版に続き「Labour Market Report 4Q 2025(改定値)」および「Job Vacancies 2025」レポートを発表しました。
前四半期の総雇用増加数は、1月の速報値 (22,700人)から下方修正され20,800人となりましたが、前年同期の11,900人を大きく上回っており、引き続き増加傾向であることが確認されました。
また、求人件数は7四半期連続で増加。2025年12月時点の求人件数は77,700件で、求人倍率は1.58倍でした。
失業率も2.0%と安定しており、全体を俯瞰すると引き続き堅調な労働市場状況でした。
その一方で、詳しい内訳を見ていくと、企業様、求職者様双方にとっておさえておきたい労働市場の変化が進んでいることも垣間見られます。
そこで今回は、最新データをもとに、そのポイントを整理してご紹介してまいります。
【目次】
1. 労働市場は2025年も成長を維持
2. 求人の半数が「新規ポジション」へ
3. 採用基準は「学歴」から「スキル」へ
4. 需要が高いPMET職種とは
5. 新卒採用市場は引き続き安定
6. 最後に:拡大の中で進む「選別型」の採用環境
1. 労働市場は2025年も成長を維持
2025年のシンガポール労働市場は、引き続き堅調に拡大しました。
まず、直近の動きとして、2025年10〜12月期における雇用は17四半期連続で増加を維持しています。
外国人メイドを除く就労者ベースでは、雇用増加数は前四半期比でプラス17,700人となりました。
これは、前四半期の増加数25,100人と比較するとやや落ち着いた増加ペースとなりました。
業種別に見ると、サービス業全体の雇用増加は9,800人と、速報値 (11,800人) から下方修正されたものの、前年同期 (7,600人) を上回る水準を維持しています。
内訳では、卸売、情報通信、金融・保険といった分野で減少が見られた一方で、事務・サポートサービスや小売では増加傾向が見られました。
また、製造業の雇用増加は2,400人と速報値から変化はなく、前四半期 (5,500人) からは減少しました。
建設業については8,800人と、速報値からわずかに上方修正されています。
こうした短期的な増減は見られるものの、2025年通年で見ると雇用は55,500人増加しており、2024年の44,500人を1万人上回る結果となりました。
特に居住者雇用は金融サービスおよび医療・社会福祉分野で増加し、非居住者雇用は主に建設業のワークパーミット保有者によって押し上げられています。
失業率についても、冒頭でご紹介した通り2.0%と低水準を維持し、解雇数も非景気後退期の範囲内にとどまっています。
解雇後6か月以内の再就職率は57.4%に改善し、長期失業率も0.9%と安定しており、長期的な離職に至るケースは限定的でした。
さらに、2026年のGDP成長率見通しは2.0%~4.0%へ上方修正されており、今後も雇用は拡大が見込まれます。
その一方で、世界経済の不確実性を背景に、企業の採用は引き続き慎重に進められると考えられます。
2. 求人の半数が「新規ポジション」へ
2025年の求人の49.3%は新規に創出されたポジションであり、2024年の45.7%から増加しました。
この増加は、企業の事業拡大および新たな機能構築によるものと見込まれています。
特に新規ポジションの割合が高い分野は、情報通信 (74.2%)、プロフェッショナルサービス (58.2%)、金融・保険 (54.0%)となっています。
このような環境においては、企業としては同時に新たな能力構築を進める他社と人材を取り合う構図となり、候補者が複数の選択肢を持つ状況であることがデータから読み取れます。
一方、求職者にとっては、新規ポジションは役割を形作る余地が大きく、成長機会につながる可能性があると捉えることができるでしょう。
3. 採用基準は「学歴」から「スキル」へ
採用における評価軸にも変化が見られています。MOMが今回発表したレポートによると、2025年には求人の約8割 (79.6%) において学歴が主な採用基準ではなかったことが分かりました。
PMET職 (Professionals, Managers, Executives and Technicians) においても、70.7%の求人で同様の傾向でした。
本結果からは、学歴の重要性が相対的に低下していることが分かります。
企業はスキルベース採用によって、採用スピードの向上や人材プールの拡大といった効果を得ているということができます。
また、66.9%の企業が最低学歴要件を満たさない候補者も検討可能と回答しており、実務能力や経験が重視されていることがわかります。
なお、需要の高いスキルとしては、ソフトウェア開発、システム分析、データ分析、AI関連スキルに加え、問題解決力や適応力が挙げられています。
4. 需要が高いPMET職種とは
では、具体的にどのような職種で採用が活発なのでしょうか。
2025年において最も需要が高かったのは教育・研修専門職で、2年連続でトップとなりました。
これに続き、営業・マーケティング職、ソフトウェア/Web/マルチメディア/ゲーム開発者・デザイナーが挙げられます。
給与水準については、特に後者は月額7,000~10,000ドルとされており、「どの分野で高い報酬が期待できるのか」という観点でも、テクノロジー領域の需要の高さが示されています。
このほか、政策・企画マネージャー、各種エンジニア、会計士、システムアナリスト、金融・投資アドバイザーなども需要の高い職種として挙げられています。
5. 新卒採用市場は引き続き安定
新卒採用の状況についても、比較的安定した環境が維持されています。
2025年12月時点で、新卒向けPMET求人は約32,500件と、前年と同水準でした。
初任給も2,300~5,000シンガポールドルのレンジにとどまり、大きな変化はありませんでした。
医療・社会福祉分野 およびプロフェッショナルサービス分野における求人では、それぞれ54.4%、44.4%とエントリーレベルの求人の割合が高くなっています。
具体的には、ソフトウェア開発者、研究職、看護師やソーシャルワーカーといった職種で高い需要が確認されています。
6. 最後に
今回は、MOMが発表したレポートをもとに、第4四半期の労働市場について、そして通年で見る労働市場動向および求人動向についてご紹介しました。
ここまで見てきた通り、シンガポールの労働市場は引き続き拡大を続けている一方で、求人の増加が事業拡大に伴う新規ポジションによって支えられていることや、採用基準がスキル重視へと移行していることなどから、企業・求職者双方にとって求められる条件はより明確になりつつあります。
また、リモートワークに対応した求人は増えているものの、海外からの採用はやや落ち着き、企業が国内人材の活用を重視する傾向も見えてきました。
柔軟な働き方は広がりつつも、その前提にはローカル人材の確保がある点も特徴的です。
労働市場は量としては成長を続けながらも、質の面ではより選別的な環境へと変化しています。
企業にとっては必要なスキルを持つ人材の確保がこれまで以上に重要となり、求職者にとっても自身のスキルや経験がキャリアの可能性を左右する状況になっています。
このような中、シンガポール政府は、企業による事業・人材の変革を引き続き後押しするとともに、個人に対してもスキル向上やキャリア形成を通じた「雇用力の強化」を推奨しており、ローカル人材を中心に各種支援策を提供しています。
今後もこうした流れを踏まえながら、それぞれに合った採用戦略やキャリアの選択を考えていくことが重要になりそうです。
弊社リーラコーエン シンガポールでは、企業様の採用支援および求職者様のキャリア形成をサポートしています。
未来を見据えた採用・転職のご相談は、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。
また、労働市場調査結果の詳細はMOMのホームページをご覧ください。
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