シンガポール転職を目指す方必見!MOM労働レポートが示す、シンガポール労働市場の現在地

こんにちは。
リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。
毎年定期的にシンガポール人材開発省 (MOM) が発表する労働レポートは、雇用・賃金・失業率・労働参加率の観点から様々な情報を読み解くことができる当地の労働市場の全体像を示す重要な資料です。
一見すると数値は安定しており、大きな変動がないようにも見えるものの、実情としては少しずつ内面から確実に引き締まっている労働市場を映し出しているようにも捉えることができます。
多くの変化が起きている今日では、転職・その後の定着やキャリア形成のいずれにおいても、より戦略的な判断が求められる局面に入っています。
そこで今回は、同省の労働市場レポートから読み取れるシンガポール労働市場の現在地、そして今後シンガポール転職を目指す方に向けて押さえておきたいポイントを整理してお伝えしてまいります。
【目次】
1. 2025年MOM労働レポートの主なポイント
2. 低失業率でも採用が難しいー求人数はあるが「即戦力」が不足
3. 生産性・ガバナンス・変革関連の職種が中心
4. 賃上げは続くが「均一ではない」
5. 採用市場の実態
6. これから求められるプロフェッショナルの視点
7. 最後に
1. 2025年MOM労働レポートの主なポイント
2025年に公表された労働市場レポートによると、シンガポールの雇用市場は引き続き安定した基調を維持しています。
失業率は約2%前後という低水準を保っており、全体としては雇用環境が大きく悪化している様子は見られません。
一方で、雇用全体の伸びとしてはこれまでと比べて緩やかになっており、「拡大一辺倒」のフェーズから、より慎重で選別的な成長局面へと移行していることがうかがえます。
また、大規模なレイオフ (人員削減) の兆候も目立って確認されておらず、市場全体として急激な悪化は見られません。
さらに、政府の推進する施策効果も相まり中堅層やシニア層を含めた労働参加率は引き続き高い水準を維持しており、多様な年齢層が労働市場にとどまり続けている点も特徴の一つです。
これらの指標だけを見ると、シンガポールの雇用市場は安定していると捉えることができます。
しかし実際には、企業がどのような基準で採用し、働く人々がどのようにキャリアを選択しているかという点がこれまで以上に重視されはじめています。
表面上の安定の裏側では、採用や転職の判断基準が大きく変わりはじめており、採用数の拡大よりも「適材適所」「即戦力」「事業貢献度」といった要素を重視する質重視・選別型の市場へと移行していることも見えてきています。
2. 低失業率でも採用が難しいー求人数はあるが「即戦力」が不足
低失業率が続いているにもかかわらず、多くの企業から聞こえる「採用が思うように進まない」という声。
その背景にあるのが、求められるスキルや経験と実際の候補者の能力との間に生じているミスマッチです。
市場には一定数の求職者が存在しているものの、企業が求める即戦力人材との適合度が必ずしも高くないことが採用難の大きな要因となっています。
実際の採用現場では、採用枠そのものは大きく増えていない一方で、仕事の内容の変化・進化から一人ひとりに求められる役割や成果への期待値は上昇傾向にあります。
入社後すぐに業務を担い、短期間で成果につなげられる即戦力人材が重視される傾向が強く、育成期間を前提とした採用は限定的です。
また、事業に直結しないポジションなど優先度の低い職種については採用判断がより慎重になり、結果として採用プロセスが長期化するケースも増えています。
3. 生産性・ガバナンス・変革関連の職種が中心
雇用の増加自体は続いているものの、全ての職種で均等に伸びているわけではありません。
現在のシンガポールでは、特に生産性向上や組織運営の高度化、事業変革に直結する分野での採用ニーズが高まっている傾向にあります。
具体的には、PMET (専門職・管理職・技術職) をはじめ、デジタル化・DX関連、コンプライアンスや財務・オペレーションといったガバナンス機能、さらには地域統括やクロスボーダー業務を担うポジションへの需要が引き続き堅調です。
一方で、付加価値が比較的限定的な業務や将来的な成長余地が見込みにくいポジションについては、採用をやや慎重に進める企業が増えている傾向にあります。
こうした流れは、年功や在籍年数だけでなく職務そのものの価値や事業への貢献度を重視するシンガポールの雇用市場らしい特徴とも言えるでしょう。
従来の年次ベースの配置や評価に加え、役割や成果を軸にした人材配置や評価の考え方、すなわち候補者側としては自身のスキルに焦点を当てた転職活動をしていくことがポイントとなってきそうです。
4. 賃上げは続くが「均一ではない」
また、賃金については2025年は全体として上昇傾向にありましたが、その伸びは職種や業界によって差が見られました。
人材不足が続く分野や専門性の高い職種、需要が堅調なポジションでは比較的大きな賃上げが見られた一方で、一般的な職種では上昇幅が限定的にとどまるケースも多く見られました。
こうした状況は給与レンジの圧縮や中堅層の離職リスク、さらには2026年に向けた人件費計画の立て方など、企業へ新たな課題を生み出しました。
限られた予算の中で優秀な人材を確保・維持するためには、これまで以上に戦略的な報酬設計が求められるようになっています。
一方で、働く側にとっても年齢や在籍年数といった従来の指標だけでなく、保有スキルの希少性や事業への貢献度が報酬水準を左右する重要な要素となりつつあります。
こうした傾向は、成果や専門性がより重視されるシンガポールの雇用市場の特徴をあらためて示していると言えるでしょう。
5. 採用市場の実態
先日、弊社が実施した最新のビジネスパーソンの動向調査からもMOMが示す市場傾向を裏付ける結果が見えてきています。
現在のシンガポールで働くビジネスパーソンの志向の特徴としてまず挙げられるのは、多くは積極的に転職活動を行っているわけではないものの、より良い機会があれば検討したいと考える「静観層」が増えている点です。
表立った転職活動はしていないものの、市場動向や求人情報を継続的に確認する人が増えており、転職市場は水面下で動き続けていると言えます。
また企業側においても、単純な人数拡大より組織にフィットする人材を見極めた質重視の採用へとシフトする傾向が見受けられます。
採用枠を増やすというよりも、「本当に必要なポジションに適切な人材を採用する」という姿勢がよりクリアになってきています。
さらに、求職者が重視する要素も変化しています。給与は依然として重要であるものの、それに加えて柔軟な働き方や上司や組織のマネジメントスタイル、役割や期待値の明確さといった非金銭的な要素が意思決定に与える影響が大きくなっています。
このように、現在のシンガポールの雇用市場は停滞しているわけではなく、企業・個人双方が慎重に判断を行う、より「選別的で戦略的な動き」へと移行していると言えるでしょう。
私たちのような外国人の場合、こうした市場環境に加えて就労ビザ取得というハードルも存在するものの、その分自身の専門性や市場価値を明確にすることがシンガポールでキャリアを築くうえでこれまで以上に重要になっています。
では、こうした環境下でシンガポール転職・就職を検討する場合、どのような視点が求められているのでしょうか。
6. これから求められるプロフェッショナルの視点
雇用の安定は「スキル」で左右される
低失業率が続く中でも、個人の雇用の安定は自動的に守られるものではありません。
現在の市場では、継続的に学び続け、自身のスキルや経験を企業の成果と結びつけて説明できる人材が高く評価される傾向にあります。
これまで以上に、「何ができるか」「どのように貢献できるか」を具体的に示す姿勢が重要になっています。
転職は慎重だが、機会は存在する
多くのビジネスパーソンが積極的な転職活動はしていないものの、市場動向を見ながら機会を探る姿勢を取っています。
企業側も採用を停止しているわけではなく、必要な人材には引き続き門戸を開いています。
そのため、2026年の転職は衝動的に動くのではなく、自身のキャリアの方向性やタイミングを見極めた「準備された移動」が前提になっていくと考えられます。
給与は「希少性」と「貢献度」で決まる
今後の賃金上昇は、希少性の高いスキルや専門性を持つ人材により集中していく傾向が見込まれます。
複数領域の経験や変革・マネジメント経験など、代替が難しいスキルを持つ人材ほど評価されやすい環境です。
自分にしか提供できない価値は何かを意識しながら専門性を磨いていくことが、今後のキャリア形成において大きな鍵となるでしょう。
7. 最後に
今回は、2025年のMOM労働市場レポートから読み取れるシンガポールの雇用市場の現在地と、これから転職・キャリア形成を考えるうえで押さえておきたいポイントについてご紹介しました。
数値上は安定して見える市場であっても、実際には採用・評価・報酬の基準は着実に変化しています。
特にシンガポールでは、役割やスキル、事業への貢献度がこれまで以上に重視される傾向が強まっており、企業・個人の双方にとってより戦略的な判断が求められる局面に入っていると言えるでしょう。
今後シンガポールでのキャリア形成や転職を検討されている方にとって、本記事が市場理解や今後のキャリアを考えるうえでの一つの参考となれば幸いです。
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