【2023年第1四半期】シンガポール労働市場調査結果
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。
早いもので、2023年も折り返し地点となりました。
季節の移ろいが緩やかな常夏のシンガポールにいると、なかなか時が経つことを実感する機会も少ないように思いますが、皆様はいかがですか。
私自身は、つい先日ナショナルデーのリハーサルが開始され、さらにはマリーナエリアでのF1開催に向けた準備を見て、改めて1年も後半に差し掛かっているという実感が湧いております。
さて、そのような中、シンガポール人材開発省(以降MOM)は、2023年第1四半期の労働市場調査結果を発表しました。
2022年の総括では「2021年と比較して大幅な労働市場回復傾向が見られた」としながらも、今年以降の見通しについては国際情勢や経済状況に応じ、市場回復の勢いは緩和されるという見方を示していました。
実際はどのような結果となったのでしょうか。
今回は、そんな2023年第一四半期の労働市場調査結果について、詳しくご紹介いたします。
【目次】
1.拡大傾向にあった2023年第1四半期
2.失業率と人員削減対象者の推移
3.求人数と求人倍率
4.まとめ
5.最後に
1.拡大傾向にあった2023年第1四半期
2023年第1四半期の労働市場は引き続き拡大傾向にありました。
ヘルパー等の移民家事労働者を除く総雇用者数は前四半期(43,500人)に比べ増加幅は縮小したものの、全体で33,000人の増加が見られました。
居住者と非居住者で見てもそれぞれが増加しており、居住者で2,800人、非居住者で30,200人増加しました。
MOMは、2023年3月までの総雇用者数はパンデミック前の水準を3.8%上回る水準にあったとしており、前四半期比では緩やかではあるものの全体的な拡大が見られました。
業界別でみると、居住者雇用ではファイナンス、行政・教育、専門サービス、医療・福祉サービスで堅調な増加が見られました。
一方で、小売業や食品・飲料サービス業では、旧正月などの季節的な需要による雇用が終了したため減少しました。
非居住者雇用の増加は、主に建設業と製造業で見られました。
2.失業率と人員削減対象者の推移
2023年3月における失業率は全体で1.8%で、2020年の4月に本調査が発表されて以来最も低い結果でした。
また、国民および㏚保持者における失業率は2.6%、長期失業率(25週間以上失業している状態の人を示す割合)は0.6%といずれも低い水準にとどまりました。
人員削減の対象者については、2022年第4四半期の2,990人から2023年第1四半期では3,820人と増加しました。
三四半期連続の増加となりましたが、この数値について、MOMは2020年のピークを下回る水準にとどまっているとしています。
業界別には、前四半期比で電子機器製造の670人から1,190人、情報通信の370人から560人、金融サービスの260人から540人と対象者の増加が見られました。
主な要因には、組織再編やリストラ(47.7%)が挙げられ、その他19.4%は景気後退や不況によるものでした。
さらに、2022年の第三四半期における人員削減対象者のうち71.7%の人が、2023年第一四半期中に再就職ができたという結果になりました。
再就職率は、パンデミック前の2019年第四四半期の65.9%をおよそ6ポイント上回る結果となりました。
3.求人数と求人倍率
2023年3月における求人数は99,600人で、4四半期連続で減少の一途を辿る結果となりました。
求人数の内訳としては、主にIT/情報通信で8,100人、医療・福祉で7,800人、専門サービスで7,700人、ファイナンシャルサービスで6,300人と、国内における成長業界の求人が多くなっています。
また、求人倍率は2.28倍と依然として高水準ではあるものの、前四半期12月時点の2.33倍と比較すると僅かに低下しています。
雇用人数の総数は増加しているものの、前四半期比ではその増加が緩やかであること、また求人数と求人倍率の低下という状況を鑑み、MOMは「労働需要の冷え込みの兆候が見られている」という見解を示しました。
4.まとめ
MOMは、世界経済の減速とより不透明なビジネス環境の中で競争力と回復力を維持するため、雇用する側・される側の双方がビジネスと労働力の見直し・変革を進めていくことを強調しました。
また、そのために提供されている政府のプログラムを充分活用することを求めています。
その1つが、Work Force Singaporeのホームページに掲載されているシンガポールにおけるそれぞれのセクターに関する最新情報を網羅した「Job Transformation Map(ジョブ・トランスフォーメーション・マップ)」です。
現在、最新15種類が公開されており、近日中に4つが追加されるようです。
こういった情報を積極的に入手しながら、ビジネスの変革を促すテクノロジーや個々の職務内容の変化のトレンドの把握を推奨しています。
5.最後に
今回は、先日MOMより発表のあった2023年第一四半期におけるシンガポール労働市場調査結果についてお届けしました。
先行き不安な国際情勢や経済状況の下、引き続き雇用数は拡大しているものの、労働需要の冷え込みも懸念されているシンガポール。
9月にはCOMPASSの施行も予定されており、ますます人材採用のハードルが高くなることが懸念されています。
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