2023年下期 シンガポール労働市場予測

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

月日が経つのは本当に早いもので、2023年もあっという間に折り返し地点となりました。

シンガポールでは、昨年より徐々に新型コロナウイルスの規制緩和が発表され、今年の2月以降は感染症警戒レベル(DORSCON)を「緑」と最も低いレベルへ切り替えました。

公式に「ウイルスとの共生」という新たなエンデミックフェーズへと歩みはじめたことで、より私たちを取り巻く環境や活気が少しずつコロナ禍以前に戻ってきているように感じられたのではないでしょうか。

今回は、先日MOMより発表のあった2023年第一四半期における労働市場調査結果も踏まえながら今年の上半期を振り返り、下半期の見立てについてご紹介いたします。


【目次】
1.2023年上半期の振り返り
2.2023年下半期予測
3.最後に


1.2023年上半期の振り返り

今年のメーデーの演説にてリー・シェンロン首相が指摘したように、私たちの外部環境は新型コロナウイルスのエンデミック宣言以降も依然として不安定な状態が続いています。

地政学的な緊張や、インフレを筆頭にした世界経済の先行の不透明さなど、短期的な解決を見込めない課題が山積みです。

一方で、同演説でリー首相はシンガポールの経済について「緩やかに、順調に回復している」とし、当面の同国の見通しは「慎重に楽観視している」と述べました。


実際にシンガポールのGDPは2022年に3.6%成長し、今年はさらに0.5〜2.5%成長すると予想されています。

チャンギ国際空港の利用客数はコロナ禍以前の8割まで回復しているように、パンデミックの影響を最も受けた観光やホスピタリティ業界は徐々に以前の勢いを取り戻しつつあります。

MOMによると、雇用人数が拡大し、今後も成長する業界としては他にファイナンス、IT、そしてプロフェッショナルサービス部門が挙げられています。

また、シンガポールにおける全体失業率は2022年第4四半期の労働人口の2%から2023年第1四半期には1.8%に低下しています。

これは、今年第1四半期に4,000人と推定される人員削減の数値がわずかに上昇したのにもかかわらずのことで、今後の動きに関心が集まります。


働き方の多様性についても引き続き多くの企業で顕著に見られました。

日本と同じく高齢化が進むシンガポールにおいても、昨今シニア層を積極的に活用するという動きをはじめ、在宅勤務やフレキシブルワークなどといった選択肢や福利厚生の多様化が追い風となり、この10年間で女性の雇用率は3%も上昇しているというデータもあります。

世界的には不安定な情勢や課題、そしてシンガポールでもインフレを始めとした不安要素はあったものの、俯瞰すると概ね落ち着いた上半期だったのではないでしょうか。

 

2.2023年下半期予測

今年の下半期については、以下3つのキーワードに分けてご説明したいと思います。

1.COMPASSへの対応、順応
2.優秀な人材の獲得に向けた企業体制の構築
3.DX適応人材の採用・育成


2‐1.COMPASSへの対応、順応

まず、いよいよ3カ月後の9月より施行となるCOMPASSについては、すでに対策を行っていらっしゃる企業様も多いことと思います。

一方で、いざ9月に入り、ケースバイケースの対応に苦戦されることも予想されます。

現制度からのCOMPASS制度への以降の最大のポイントは、候補者の属性だけではなく、企業属性についても審査の基準(主にC3・C4の項目)となったことにあります。

このため、まずは今できることとして、改めて現状で何ポイント獲得可能かどうかを把握し、差分を埋められるような採用活動の戦略立案を行っていただくことをおすすめいたします。

早めの対策をいただくに越したことはありません。


2‐2.優秀な人材の獲得に向けた企業体制の構築

先日発表された世界経済フォーラムにおける「Future of Jobs Report 2023」によると、シンガポールの労働市場における人材の入れ替わりは向こう5年間で21%とされています。

これは世界的な23%と比較するとやや低い数値ではあるものの、今後の予測不能な状況に備え、企業のニーズに適応する人材獲得に向けてより組織における構造改革や再配置への準備が急務となるでしょう。

 

2‐3.DX適応人材の採用・育成

同レポートによると、シンガポールにおける多くの企業が新しいテクノロジーの導入に前向きであり、変化のペースは世界の他の地域よりも速くなると予測されています。

現にシンガポールで最も純増数が多い職種は「AI・機械学習スペシャリスト」で、次いで「ビジネス開発プロフェッショナル」だそうです。

実際にChat GPTなどに代表されるようなAIの急速な進化により、DX推進はさらに加速されると予想されています。

また、本レポートの調査対象企業の85%以上が、デジタルへのアクセスを広げるだけでなく、新しいテクノロジーやフロンティアテクノロジーにおける採用枠の増員を検討しているそうです。

このため、従来のアナログの進め方ではなく、デジタルリテラシーが高く、スキルを持った人材獲得競争が激しくなるでしょう。

新規の採用が難しい場合でも、既存の従業員のリスキリングやスキルアップによりAIやビッグデータ分析など、変化の早いテクノロジー領域に明るい人材を維持することを検討していく必要がありそうです。


3.最後に

今回は2023年上半期の振り返り、そして下半期の予測についてお届けしました。

弊社としては、目下のCOMPASS対策およびフォローアップに注力しながら、今後はより一層、新しい時代にいち早く順応できる専門的なスキルを保持しているコア人材の紹介・ご提案、採用に力を入れてまいります。

また、お客様のニーズに関する十分なヒアリングをもとに、お一人おひとりが持つ潜在的なニーズを引き出しながら、積極的な提案を行う所存です。

求職者様へのサービスについても、人が人に相談したい、背中を押してもらいたいという気持ちに寄り添えるような、より丁寧なサービスを心がけてまいりますので、お困りのことがございましたらぜひお気軽に弊社までご相談くださいませ。

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