【シンガポール転職】注目が集まるPMETポジショントップ10
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールの平林です。
先日の2023年下期 シンガポール労働市場予測にもあった通り、シンガポールの採用市場は一旦の落ち着きが予測されます。
求人数に対して、2年近く求職者優位の状況が続いたシンガポール。
世界情勢や経済の見通しを心配する声もありますが、過度に恐れる必要はありません。
2022年に居住者の雇用の伸びが非居住者の雇用の伸びを上回ったという事実が証明しているように、国内の労働力は依然として回復力を保っております。
そんな中、今回はMOMの統計をもとに、2022年にシンガポールで最も需要があったPMET職種について記載していきたいと思います。
1. 業界別、4つの主要成長分野
まずは業界別に特定された主要成長分野を見ていきましょう。
シンガポールの雇用の伸び率は、どの業界においても均一ではありません。
今年3月30日に発表された2022年人材レポートでは、MOMは4つの主要な成長分野を特定しました。
- 銀行・金融
- 情報技術
- プロフェッショナルサービス
- 保健および社会サービス
これらの成長分野では、熟練した専門家に対する継続的な需要があり、2022年にはPMET(専門家、マネージャー、幹部、技術者)の約46%が不足 (期間でいうと少なくとも6か月間人材が不足)していました。
特に情報技術部門の新規ポジションの求人数割合が最も高かったそうです。
2. 2022年のPMETポジショントップ10
MOMによると、シンガポールの企業が最も求めているPMETポジショントップ10は以下の通りです。(順不同)
- 経営幹部
- ソフトウェア、Web、マルチメディア開発者
- コマーシャルおよびマーケティングセールスエグゼクティブ
- 教育およびトレーニングの専門家
- 管理マネージャー
- ソフトウェアおよびアプリケーションマネージャー
- 正看護師およびその他の看護専門職
- システムアナリスト
- 事業開発マネージャー
- 機械工学士
PMET求人の上位10件のうち、7件は最低資格として学士号を必要としています。
上記以外にも注目されているポジションは (i)教育およびトレーニング専門家、(ii)ソフトウェアおよびアプリケーションマネージャー、 (iii)正看護師およびその他の看護専門家です。
いずれも専門的な知識、経験を有する職種が多く目につきますが、2022年のPMET求人の64.5%は、学歴は主な考慮事項ではありませんでした。
しかしながら、5年前のPMET求人の42%から顕著に増加しているところを見ると、学歴が選考に占める割合は大きくなっていると考えられるでしょう。
学歴が主な決定要因ではないPMETの求人の場合、企業は主に候補者を潜在的なスキルと勤務態度に基づいて選考します。
3. 注目のスキルトップ10
上記の結果を受けて、私たちはどのように考えれば良いでしょうか。
より高い資格を持っているからといって、自動的に他の候補者よりも上位にランクされるわけではありません。
しかしながら、最低限必要な資格は武器となり、経験と勤務態度がより有利な要素となります。
世界経済フォーラム(WEF)の2023年雇用の将来レポートでは、今後5年間で再習得とスキルアップを最も推奨するスキルのトップ10を特定しています。(順不同)
- AIとビッグデータ
- 創造的思考
- 回復力、柔軟性、機敏性
- 分析的思考
- リーダーシップと社会的影響力
- 好奇心と生涯学習
- 技術リテラシー
- モチベーションと自己認識
- ネットワークとサイバーセキュリティ
- タレントマネジメント
これらの調査結果から、スキルアップの取り組みにおいてデジタル化に焦点を当てる必要があることは明らかと言えるでしょう。
企業が前進してイノベーションを導入するにつれて、デジタル変革のペースに遅れないようにする必要があります。
ChatGPTなどの生成AIツールは、近い将来ワードやエクセルと同じくらい普及する可能性があると言われており、その瞬間を待って学習を始めるのは少し遅いかもしれません。
重要なのは、技術的な能力を磨くだけではなく、ソフトスキルも養うこと。
技術的能力に加えて、自分の役割をきちんと認識し、どのような環境の変化に置かれても適応できる柔軟性が問われる時代と言えるでしょう。
最後に
今回はシンガポールで注目が集まるPMETポジショントップ10についてご紹介いたしました。
やはりITや幹部層など、特別なスキルや経験を持つポジションにより注目が集まっており、当該ポジションはローカル人材の育成なども期待されております。
またリスキリングなどにも注目が集まっており、時代と共に人材の変化が必要とされております。
アジア経済の中心となり、人材マーケットの動きも格段に早いシンガポール。
国や社会に求められているスキルや経験を正確に理解し、それに伴う自身の成長や変化が転職における重要な鍵と言えるでしょう。
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