シンガポールのサステナビリティ分野とは

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

今年の4月以降、東南アジア全域で熱波が広がり、つい先日はシンガポールでも約40年ぶりの高水準となる37℃を記録したことは記憶に新しいかと思います。

専門家は、このような急な気温上昇の要因として、気候変動を挙げています。また、このような気候変動はしばしば地球温暖化によるものでもあります。

じわじわと忍び寄る地球温暖化。

私たちにとっても、日々の生活だけではなく、社会・経済にも大きな損害を与えるリスクがあります。

一人ひとりの意識を変え、地球のために小さなことでも積み重ねていくという動きはどんどん広まっているように感じますが、今年に入り、ついにシンガポールでも一部のスーパーのレジ袋が有料となりました。

また、プラスチックのストローやスプーン、容器の代わりに竹や肥料でできたものを採用する飲食店も増えてきています。

このほか、代替タンパク質や脱炭素に向けての取り組み、電気タクシーの増車など、先進的な動きも見られています。


これらの例のように、実際にこれらのことをビジネス目線で捉え、社会・経済・そして環境の3つに重きを置いた活動を行っているのが「Sustainability Sector(サステナビリティ分野)」です。

シンガポールでは、今後10年間で大きく成長することが予想されている分野で、本分野に従事する雇用人数は今後12ヶ月で約4,000人、向こう10年間ではなんと55,000人の増員・雇用の創出を見込んでおり、今まさに大注目されています。

今回は、そんなシンガポールのサステナビリティ分野についてご紹介いたします。


【目次】
1.そもそも、サステナビリティとは
2.どんなお仕事があるの?
3.シンガポールのサステナビリティ分野
4.最後に


1.そもそも、サステナビリティとは

サステナビリティとは、直訳すると「持続可能な」という意味を持つ単語です。

私たちが社会生活を営む地球環境をはじめ、社会生活・経済などの分野において、私たちの子孫やその先を見据え、なるべく長い期間において機会損失がないように活動を維持し続けることを目指す概念や行動を指します。

最近は関連して「SDGs」という単語を耳にする機会も多いかと思います。

これは、2015年に開催された国連サミットで採択された17の具体的な目標と、さらに細かい169のターゲット設定のある持続可能な国際目標のことを指します。

つまり、サステナビリティとは、目先の結果や利益だけではなく、長期的な影響や効果を考えた行動全般であり、その領域は多岐に渡ります。


2.どんなお仕事があるの?

一言で「サステナビリティ分野」と言っても様々な職種があります。

直接的な職種で代表的なものはエコロジストや環境保全のための技術や機械を具体化するための環境エンジニア。

環境安全衛生責任者や緑を使った空間デザインに従事する景観設計家。再生可能エネルギー技術者や、研究者。

そしてサステナビリティの概念を念頭に置きながら製品を作るサステナビリティエンジニアや担当者などがあります。

また、実際に昆虫食に代表される代替食品や脱炭素に関するお仕事もサステナビリティ分野に分類されます。

ことよりシンガポールには脱炭素サービスを提供している企業が70社以上もあるそう。

これはアジア諸国内で比較してもとても多く、ハブを構える好機だとし、先日、スイスのジュネーヴに本部を構える国際排出量取引協会(IETA)は初のアジア拠点を開設しています。

 

3.シンガポールのサステナビリティ分野

このように、シンガポールのサステナビリティ分野はこの数年で大きく躍進しています。

これは、政府が打ち出した2つの大きなイニシアチブによるものが大きいと言えます。

1つは、持続可能な開発に関する国のビジョンを示した「サステナブル・シンガポール・ブループリント」。

そして2つ目が持続可能な未来に向けた政府の目標をまとめた「シンガポール・グリーン・プラン2030」です。

これに伴い、雇用の機会も大きく増えています。

特に、2021年に「シンガポール・グリーンプラン2030」が発表、開始されて以来、本分野での雇用数はおよそ260%も増加したそうです。


シンガポール・グリーン・プラン2030

「シンガポール・グリーン・プラン2030」とは、国を上げて取り組む環境政策です。

2030年までに段階的に5つの項目ごとに数値目標を設定して達成を目指すもので、環境持続省をはじめ、教育省、国家開発省、運輸省と貿易産業省の5省が推進しています。

サステナブルな未来に向けた環境の整備によって、シンガポール国民の生活を守り続けることを目的としています。

項目は以下の5つに分かれています。

1.「自然都市」シンガポール人にとって緑豊かな住環境を確保する
2.「持続可能な生活」二酸化炭素の排出を減らし、環境を清潔に保ち、資源とエネルギーの節約
3.「エネルギー・リセット」クリーンなエネルギーを使用し、エネルギー効率を高めシンガポールの二酸化炭素排出量を削減
4.「グリーンエコノミー」グリーンファイナンスなどの新たな雇用の創出を行い、ビジネス機会の拡大を図る
5.「レジリエントな未来」シンガポールの気候変動に対する回復力を高め、食料安全保障を強化する

「シンガポール・グリーン・プラン2030」については詳しくはこちら

この他にも、シンガポールでは、グリーンビルディングの実践を推進する「シンガポール・グリーン・ビルディング協議会(Singapore Green Building Council)」や、持続可能な都市開発を研究する「サステナブルなアジア都市センター(Centre for Sustainable Asian Cities)」などの機関や組織を設立し、持続可能な未来に向けての取り組みを国をあげて推進しています。


このように、シンガポールのサステナビリティ部門は、今後も大きく成長を続けると予測されています。

実際に環境省は、アグリテックや廃棄物管理業界を含めると、さらに55,000人の新規雇用やアップグレード雇用が見込めるのではと推定しています。

また、世界的なエネルギーソリューションを扱う大企業もシンガポールに拠点を置き、研究開発を行っています。

さらには私たち消費者の意識や需要も高まっていることも大きなポイントです。

これらが相まり、従来の製品やサービスに代わる持続可能なソリューションを提供する新しい企業やスタートアップも誕生し、さらに市場が活発化しています。


4.最後に

今回はシンガポールのサステナビリティ分野について、詳しくお届けしました。

政府は、地球に優しい社会活動を行う革新的な取り組みに参加しようとする企業を支援することで、持続可能な開発への取り組みを強化しています。

アジアの地域的な成長を生かしながら、環境保護や気候変動にストップをかけるべく貢献するサステナビリティ分野は、社会貢献の実感を持ちながらともに成長ができる、理想的な分野かもしれませんね。

ぜひ今後のキャリアを考える上で、ご参考になれば幸いです。

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