国家AI戦略2.0とシンガポール予算案から読み解く、AI人材採用の考え方

こんにちは。
リーラコーエンシンガポール マーケティング担当の野上です。
ご存知の通り、シンガポールではAIに関する国家レベルの取り組みがここ数年で一気に進んでいます。
国家AI戦略2.0 (NAIS 2.0) のもと多角的な視野で取り組みが進められているなか、採用の現場においても「AI人材をどう確保するか」というテーマはこれまで以上に重要になってきています。
一方で、政策の動きが大きければ大きいほど慎重になり「もう少し様子を見てから動こう」と感じられるケースもあるかもしれません。
そこで今回は、NAIS 2.0や2026年度シンガポール予算案、そして弊社のAI人材に関するレポート「AI / ICT TALENT OUTLOOK 2026」の内容をもとに、AI人材の確保について採用担当者の視点でどのように捉えると良いかを整理してまいります。
【目次】
1.おさらい:NAIS 2.0とは
2. 国家AI戦略が示すもの
3. 国家AI戦略が採用に与える変化
4. 社内の人材育成というもう一つの選択肢
5. 採用計画を見直すための視点
6. 最後に
1. おさらい:NAIS 2.0とは
まずは、NAIS 2.0についておさらいしてまいりましょう。
NAIS 2.0 (National AI Strategy 2.0) は、2023年に発表されたシンガポールのAI国家戦略です。
昨年2025年10月に内容のアップデートもあり、最新状況に合わせて適宜見直しがされています。
本政策の特徴は、AIを「将来の可能性」ではなく「不可欠な基盤」と位置づけている点にあります。
例えば、AIを単なる技術としてではなく、国家や産業の競争力を支える基盤として位置づけ、幅広い領域で活用していく方向性が示されています。
また、企業や個人がAIを実務の中で使いこなせるようにするための環境整備にも重点が置かれており、スキル開発や教育の仕組みづくりが進められています。
さらに、研究開発、人材育成、データやインフラの整備といった要素を個別に進めるのではなく、国のエコシステム全体として連動させながらAIを推進していくという点も特徴的です。
これにより、当地でのAIの導入や活用が一部の先進企業にとどまらず、より広い産業へと波及していくことが期待されています。
また、今後3〜5年で取り組むべき「15のアクション」が整理されており、AIの開発だけでなく、実際の活用やガバナンスの強化までを含めて横断的に取り組む設計となっています。
こうした一連の動きは、単なる技術政策にとどまるものではなく、企業にとっての前提条件そのものが変化しつつあることを示していると言えそうです。
【関連記事】シンガポールのAI戦略2.0:「人を最優先」にしたAI活用で企業と働き手に求められるものとは
2. 国家AI戦略が示すもの
さらにもう一つのAIに関する国家戦略として注目したいのが、今年2026年のシンガポール予算案で発表されたウォン首相自らが議長を務める「National AI Council」です。
これにより、AIは特定の業界にとどまらず「国家レベルの重要インフラ」として位置づけられたといえます。
特に、先進製造、コネクティビティ、金融、ヘルスケアといった分野では今後2〜3年でAI投資がさらに進むことが想定されています。
企業、ないし業界、および国家の成長に欠かせなくなりつつあるAI人材の採用。
このような政策的な背景があり、今後は業界を越えた人材競争がより顕在化していく可能性があります。
また、これらの政策から見て取れる通り、シンガポール政府はAI領域に対して明確な方向性と投資を示しています。
企業としては、政策が環境を整備し、整える役割をもつなか、どのようにこれらの政策を活用し、採用や組織づくりに結びつけていくかを判断していかなければなりません。
3. 国家AI戦略が採用に与える変化
昨今の状況から、シンガポールでは、AIは「取り組めば良いもの」から「取り組むことが前提となるもの」へと変化しました。
その結果として起きているのが、あらゆる業界が同時にAI人材を求め始めている状態です。
これまでであれば競合しなかった企業同士が、同じ候補者を検討するケースも増えてきています。
引き続き政策の進展を待ち、「様子見」の姿勢を取る場合、結果的に需要が顕在化したタイミングで、他社と同じ市場で同じ人材を探すという状況になりやすくなる一方で、少し早い段階から動き始めた場合は、比較的競争が緩やかな状態で人材確保を進められる可能性があるということがいえます。
候補者側もこうした変化を理解しており、提示される条件や期待値も市場に合わせて変化しています。
この状況を踏まえると、「以前の基準のまま採用を進めている」場合、なかなか採用が進まないというケースも想定されます。
4. 社内の人材育成というもう一つの選択肢
先出のシンガポール予算案では、AI人材育成に関する具体的な施策も打ち出されています。
その中でも特に注目されているのが、既存社員のスキル転換を支援する仕組みの拡充です。
これにより、すべてのポジションを外部採用で充足するのではなく、社内人材の育成と組み合わせて考えることもできるようになります。
実際には、多くの企業がAIスキルの重要性を認識している一方で、こうした制度を十分に活用できていないケースも見られます。
採用が難しいポジションほど、「社内で育成できる可能性はないか」という視点をもつことが、一つの選択肢になるかもしれません。
5. 採用計画を見直すための視点
ここまでの内容を踏まえると、今後のAI人材採用においては、いくつかの観点から自社の状況を見直してみることが一つのヒントになりそうです。
例えば、これから採用を検討しているポジションが今後投資の拡大が見込まれる分野に該当しているのかどうかという点は、競争環境を把握する上で重要な要素になります。
また、外部採用を前提とするだけでなく、社内人材の育成によって対応できる余地がないかという視点も、改めて検討する価値があるかもしれません。
さらに、給与レンジが現在の市場水準と乖離していないか、AIガバナンスやコンプライアンスといった新たな観点が求められていないかといった点も、採用の進みやすさに影響する要素です。
加えて、意思決定に時間を要するプロセスになっていないかという点もおさえておきたいポイントです。
こうした点を事前に整理しておくことが、採用活動そのものの進めやすさや選択肢の広がりを実感することにつながることが期待できます。
6. 最後に
最後に、今回はシンガポールのAI国家戦略であるNAIS 2.0および2026年度予算案を踏まえたAI人材の確保について整理してまいりました。
シンガポールにおけるAI政策は、すでに多くの企業にとって共通の前提となりつつあります。
その中で差が生まれるのは、「どのように解釈し、自社の採用や組織づくりにどう落とし込んでいくか」という点にあるのかもしれません。
必ずしも急いで意思決定を行う必要はありませんが、少し早いタイミングで選択肢を整理しておくことが、結果としてより柔軟な採用活動につながる可能性があります。
採用に関するご相談はお気軽に弊社のアドバイザーまでご連絡ください。
また、弊社のAI人材に関するレポート「AI/ICT TALENT OUTLOOK 2026」も併せてご参照いただければ幸いです。
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