生き物と共存!シンガポールの野生のカワウソに迫る
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。
シンガポールで川沿いやマリーナエリアを散歩していると、時々とても可愛らしいカワウソの家族に出会うことがあります。
今年のナショナルでーには、Googleシンガポールのトップページに表示されていたGoogleのロゴ画像が微笑ましいカワウソたちとマリーナベイサンズの画像だったのをご覧になった方も多いのではないでしょうか。
実はシンガポールでは人の居住区域の近くをカワウソが散歩するのはごく日常的な光景です。
実際にシンガポール政府管轄の国立公園局(National Parks Board)のホームページにも、良く見かける動物としてカワウソが掲載されています。
先日私もシンガポール川周辺を散歩していた際に、20頭ほどのカワウソの群れとご対面することができました。
日本ではなかなか目にすることができない貴重な光景、ぜひシンガポール滞在中に一度見てみたいですよね!
今回は、そんなシンガポールのカワウソたちに迫ります。
【目次】
1.シンガポールで生息する野生のカワウソたち
2.もしもカワウソに出会ったら、注意したいこと
3.最後に
1.シンガポールで生息する野生のカワウソたち
シンガポールに生息しているカワウソは2種類です。
ビロードのような滑らかな毛並みから名付けられたとされる「ビロードカワウソ」と、小さな手足が特徴の「コツメカワウソ」です。
そのうち、私たちが普段よく目にするビロードカワウソは、東南アジア最大のカワウソと呼ばれており、シンガポールでは絶滅危惧種に登録されています。
愛くるしいその姿の一方で、主に水中の魚やカエルなどをエサとする肉食で、大きなもので体長75センチ程度にも及びます。
シンガポールでは1990年代から目撃されるようになったそうで、中でも最も多くの数が生息しているのがスンゲイ・ブロー湿地保護区です。
そのほか、ウビン島やビシャン・アンモキオ周辺、チャンギエリア周辺、マリーナエリアやリバーバレーエリア周辺などでも目撃情報が増えています。
国立公園局によると、2023年現在、島内にはおよそ17家族、170頭の野生のカワウソが生息しており、その数は年々増えているそう。
大きな脅威となる天敵がいないからとされています。家族単位の群れとして10頭前後で行動する習性があり、よく見かける家族には名前が付けられています。
中でも人の居住区へ良く顔を出す「ビシャン・ファミリー」や「マリーナ・ファミリー」などは有名で、多数愛好家が存在します。
ビシャン・ファミリーはまさに先日のGoogleのロゴ画像のモデルだったそう。
カワウソが顔を出す川辺には、ズームレンズ付きの一眼レフを担いだカメラマンや、ただただカワウソたちを見守る人が複数人いることも日常風景です。
それもそのはず、なんと芸能人さながらSNSにファンページが作られており、目撃情報やそのときの様子が記録されているのです!
短期間見かけない間に赤ちゃんが生まれていることもあり、その時々で少しずつ変化するカワウソファミリーを見守るファンが多いのも、シンガポールならではの光景です。
2.もしもカワウソに出会ったら、注意したいこと
元々自然保護区などで多くが生息してきたカワウソ。
なぜ最近多く目撃されるようになったのでしょうか。
その背景として、数が増えたからということもありますが、本来生息していた川でエサとなる魚が取りにくくなったことも挙げられるそうです。
一方で、可愛らしいだけではなく、人間の居住地区へ進出することにより大きな問題になることもあります。
以前にはコンドミニアムの敷地内で飼育されていた魚を食べてしまったり、住民用のプールに入り込み水浴びをしていたり、実際に人の居住区域で被害が及んだケースもあるようです。
また、以前ボタニックガーデンで散歩中にカワウソに襲われてケガをするというニュースもありました。
国立公園局は、このような被害を最小限にするため、実際にカワウソに遭遇した場合は以下の点に留意するよう呼びかけています。
・カワウソには触ったり、追いかけたりせず、遠くから観察するだけに留めるようにする。カワウソに近づきすぎると怖がらせてしまい、思わぬ事態になる恐れがあるためです。
・カワウソの前で大声で話したり、フラッシュ機能を使った写真撮影をしないこと。音や光がカワウソへ刺激になることがあるためです。
・カワウソに餌を与えないこと。特にカワウソが本来持っている自然界でのエサ以外のものを与えると、生態系が崩れる可能性があるためです。
・水中にゴミを散らかしたり、鋭利なものを捨てたりしないようにすること。
・川沿いやカワウソの近くを歩く際は、飼い犬にはリードをしっかりつけること。
万が一カワウソに遭遇しても、これらをしっかりと守るようにしましょう。
いくら可愛いとはいえ、相手は野生動物です。
特に小さなお子様連れの場合は十分にご注意くださいませ。
3.最後に
今回は、シンガポールで生息するカワウソについてお届けしました。
昨今、その数は増えている一方で人間によるイタズラや、禁止区域での魚釣り行為などによりカワウソの生態が脅かされているそう。
また、その逆も然り、カワウソが人間に危害を加えるなどのケースも不安視されています。
シンガポール政府は近隣住人への注意喚起を行うと共に、何かあった場合は国立公園局のホームページの問い合わせフォーム、またはヘルプラインより連絡をするよう呼びかけています。
皆様もぜひ、島内でカワウソを見かけた際にはくれぐれも遠くからこっそり観察するのみにとどめるようにしましょう。
これからも、人と動物がそれぞれのコミュニティにおいて平和に共存するシンガポールであってほしいものです。
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