シンガポール最新の新卒採用データが示す、次世代人材の動向とは


こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。

シンガポールでは毎年、主要大学6校が共同で「大学卒業生就職状況調査 (Graduate Employment Survey、通称:GES) 」を実施しています。

前回のブログ (シンガポール新卒給与は4,500Sドルで横ばい 大学就職調査から見る採用市場の変化) では、調査から分かった業界別の初任給推移と、シンガポールでの新卒採用に関する動向についてご紹介しました。

ただし今回の調査結果からは、シンガポールの労働市場の「今」と「これから」を示すトレンドも浮かび上がってきています。

本記事では、企業や採用ご担当者に向けて、注目すべきポイントを分かりやすく読み解いていきます。


【目次】
1. 新卒採用トレンドがシンガポールの労働市場にとって重要な理由
2. 新卒の就職状況は底堅さを維持
3. 主な就職状況指標
4. 新卒者の給与水準
5. テクノロジー人材がなぜ今も高く評価されるのか
6. バランスの取れた人材パイプラインの重要性
7. 学位よりもスキルが問われる時代へ
8. 最後に

 

1. 新卒採用トレンドがシンガポールの労働市場にとって重要な理由

毎年、シンガポールの大学を卒業した数千人もの学生たちが、新しいスキルや期待、そしてキャリアへの志を胸に社会へ踏み出していきます。

採用担当者や企業にとって、こうしたトレンドを把握することは、人員計画や長期的な人材戦略を考える上で欠かせません。

この度、教育省 (MOE) により発表された「GES 2025」調査結果からは、シンガポールの新卒人材動向の変化を示すいくつかの重要なシグナルが読み取れます。
 

全体としては新卒の就職状況は堅調を維持しているものの、採用環境は前年比でやや落ち着きを見せており、給与面での優位性は引き続きIT関連分野に集中しています。

企業にとっても就職活動中の学生にとっても、これらのデータはシンガポールの若手人材の変化を理解し、今後に備えるための重要な指針となりそうです。

 

2. 新卒の就職状況は底堅さを維持



世界的な経済の不透明感が続く中でも、シンガポールの新卒採用市場は引き続き堅調さを見せています。

最新の調査によると、就職を希望する新卒者のうち83.4%が、最終試験終了後6ヶ月以内に就職を果たしています。

内定を得ながらもまだ勤務を開始していない学生を含めると、総合的な就職率は88.9%に上ります。
 

これは前年の87.1%からわずかに低下していますが、シンガポールの労働市場が新卒者にとって依然として比較的健全な状態にあることを示しています。

一部の業種では世界経済の不透明感を背景に採用を慎重化しており、また毎年労働市場に参入する新卒者の数も増え続けています。


3. 主な就職状況指標



採用企業にとってこの環境は、チャンスと課題、両面の性質をはらんでいます。

エントリーレベルの人材は引き続き確保できる一方で、高いスキルを持つ優秀な新卒者の獲得競争は厳しいと言えます。

 


4. 新卒者の給与水準



本調査では、専攻分野別の給与ベンチマークも明らかにしています。

新卒者の月収 (税込) 中央値はS$4,500と、大学卒業者の初任給は比較的安定した水準を保っています。

ただし下の表にもあるように、給与の結果は専攻によって大きく異なります。
 



情報・デジタル技術系の卒業生は引き続き最も高い初任給を獲得しており、あらゆる業界でデジタル人材への需要が強いことが反映されています。

企業がデジタルトランスフォーメーション (DX) を加速させる中、データ分析・人工知能・サイバーセキュリティ・クラウド技術といった領域の専門知識を持つ人材は、今後も高い需要が見込まれます。

 

5. テクノロジー人材がなぜ今も高く評価されるのか

APEC地域のデジタル・イノベーションハブとしての地位を確立しているシンガポールにおいて、金融サービス・テクノロジー・先端製造・医療・物流といった業種ではデジタル人材への需要が拡大し続けています。

自動化・データドリブンな意思決定・AI活用サービスなど、生産性と競争力を高める技術への投資が進むにつれ、技術系スキルを持つ人材へのニーズはますます高まっています。

ただし、企業が求めているのが純粋な技術者だけかと言うとそうではなく、デジタルスキルとビジネス理解力・コミュニケーション能力・将来的にリーダーシップを発揮できそうな素養を兼ね備えた人材を重視する企業が増えている、というのが実情に近いでしょう。

技術的な専門知識と高いコミュニケーション能力の両方を持つ候補者は、採用競争においても一層際立った存在となっています。

 

6. バランスの取れた人材パイプラインの重要性

テクノロジー分野が強い注目を集める一方で、シンガポールの長期的な経済の競争力を維持するためには、バランスの取れた人材パイプラインを保つことが引き続き不可欠です。

インフラ開発・工学・会計・医療・行政といった分野には、容易に代替できない専門知識が必要です。

特定の分野に学生が集中しすぎることは、他の重要な業種で人材不足が生じるリスクも生みます。

企業においては、多様なキャリアパスを奨励するとともに、様々な職種がもつ長期的な可能性を学生に広く伝えていくことが重要となってきます。


7. 学位よりもスキルが問われる時代へ

今回の新卒就職データからもうひとつ浮かび上がるのは、実践的なスキルの重要性が高まっているという点です。

採用担当者が新卒者に求める主な要素には、以下が挙げられます。

・インターンシップやプロジェクトでの実務経験
・高いコミュニケーション能力と協働力
・適応力と問題解決能力
・各種ツールを横断したデジタルリテラシー

学歴は今も重要な要素ではありますが、多くの企業では「知識を現実の場でどう活かせるか」という実践力に重きを置いて、候補者を評価しています。

このことから、インターンシップや業界プロジェクト、専門資格の取得に積極的に取り組んだ学生は、就職活動においても一歩リードすることが可能だとも言えます。


8. 最後に

今回は、新卒・若手人材の採用を計画する在シンガポール企業にとって最新の新卒採用動向の示唆に富んだ「GES 2025年版」についてお届けしてまいりました。

採用環境に若干の落ち着きはあるものの、高いパフォーマンスを発揮できる新卒者は依然として引く手あまたです。

若い世代の社会人は、職場文化・キャリア開発の機会・企業の存在意義・パーパスをもとに就職先を選ぶ傾向が強まっており、充実した学習機会や明確なキャリアパスや自社の魅力を提供する企業が、優秀な人材を惹きつけやすい傾向にあります。

採用戦略でお悩みの方や、シンガポールでのキャリアをお考えの方は、ぜひ弊社アドバイザーにご相談ください。

 

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