ウェビナーまとめ「シンガポール就職最前線!ポストコロナ時代に求められる人材の特徴と人材市場動向の徹底解説」

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

先日弊社ではシンガポール就職に関する最新情報をお伝えするウェビナーを開催しました。

昨今のビジネス概況、給料相場や将来のキャリア構築などの情報をはじめ、シンガポールで働くことの魅力をたっぷりお届けし、おかげさまで大盛況に終わった本ウェビナー。

今回は特別に内容の振り返りをお届けいたします。

 

【目次】
1.コロナ禍におけるシンガポールの経済政策
2.人材動向の変化
3.ポストコロナに求められる人材とは?
4.質疑応答
5.最後に
 

1.コロナ禍におけるシンガポールの経済政策

コロナ禍におけるシンガポールは、これまでどういった対応を取ってきたのでしょうか。改めて時系列を追ってご紹介します。

シンガポールでは2020年1月に初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されました。

その後徐々に感染が広がり、4月から6月まで「サーキットブレーカー」と呼ばれる経済規制が始まりました。

この期間には、学校やオフィスの閉鎖、必要以外の外出の禁止、感染者の追跡や厳しい水際対策(主に入国措置)が取られていました。

その後はフェーズ1から3まで、政府が様子を見ながら段階的にこれまでの規制を緩和していく措置が取られました。

出社可能人数の制限や学校の登校規制(オンライン授業)、外食はテイクアウトのみといった対応など内容は多岐にわたります。

クラスターの発生等で一進一退はしつつも、規制は少しずつ緩和されてきました。

 

予防接種率の向上や感染した際の影響、またより長期的な戦いへのシフトといった理由から、今年の4月にようやくウィズコロナ施策への切り替えが発表され、これまでの行動規制が一気に緩和されました。

入国規制についても、入国前検査の義務が撤廃されることで、ビザを持たない方も入国が可能になった等、これまでとほぼ変わらないシンガポール入国が可能になりました。

また、ビジネスの動きとしては、これまでシンガポールの強みであったデジタル化がコロナ禍によりさらに促進され、キャッシュレス化やEC事業に一層の伸びがみられました。

 

求人市場の歩みはというと、このコロナ禍ではこれまでシンガポールで平均月300件程度あった求人情報がサーキットブレーカー時期には10分の1程度まで下がってしまう等、ドラマチックな上下を経験しました。

サーキットブレーカーが明け、徐々に回復傾向が見られ、今年に入りようやくこれまでのような求人数が見られるようになりました。

また、厳しい状況の中でも、EC業界をはじめ、消費財メーカーや物流、ヘルスケア業界、フードデリバリー業界については急激に需要が増え、伸びが見られました。

 

働き方についても、これまでほぼなかった在宅勤務がメインとなり、大きな変化がありました。

これまでよりも業務効率や自律性が重視されるようになり、ワークライフバランスを気にする方が増えたように思います。

家で仕事をする=プライベート空間に仕事を持ち込むことになるという変化により、ワークライフバランスを保ちながら自分らしくいるためにはどうしたら良いのかについて悩む方も多く出てきたように思います。

マネジメントとしては、これまでオフィスで同僚と仕事し、プロセスを見る評価ができたところ、顔を見ずに仕事をすることでどうしても成果重視の傾向になってしまうといったことも課題の一つでした。

 

一方で、このような変化に対応するべく、様々な雇用形態の活用・働き方改革を行っていた会社も多かったように思います。

弊社の例を一部ご紹介すると、一つは時短やパートタイム社員の雇用です。

子どもが保育園の午前中だけ働ける、などといった女性のニーズに応え、社会復帰の支援を積極的に行いました。

2つ目としては週次・月次で就労時間を決めるフルフレックス制の導入です。

3つ目は繁忙期における学生・アルバイトのスポット雇用。

最後に、現在も100%在宅勤務を推奨しています。

オンラインでもいかに工夫して本来オフィスで対応するような研修等をスムーズに行うか等を率先して工夫しながら時代の変化に対応するよう努めました。
 

2.人材動向の変化

それでは、実際に求人市場についてはどうでしょうか。グラフを見てみましょう。


これは求人数推移のグラフです。

見てわかるとおり、2020年から2021年(グラフ)の求人数は停滞しているのに対し、昨年から今年にかけて(オレンジ)は2倍ー3倍程度に回復してきていることが分かります。
 

対してこちらのグラフは求職者数の推移です。

今度は青とオレンジが逆転しており、昨年から今年にかけての求職者が減っています。

求人数に対して求職者数が多いという、現在は圧倒的な求職者優位の状況になっています。

 

企業はこういった背景の中で、どのような取り組みをしているのでしょうか。

一つは新卒の採用を促進し、未経験人材を雇用して社内研修をして育成するという方法。

二つ目は物価の上昇に合わせて給与を変えていく、ということです。

求人数が比較的多いIT系でいうと、日本円で50万円程度が月額給与の平均となります。

また三つ目は、採用したい人材に選んでもらうための既存の福利厚生制度の見直しです。

これは、本人だけでなく、帯同家族にとっても魅力的な福利厚生になるよう工夫が図られている印象です。

求職者側からいうと、会社選びの際の優先順位として、今まで以上にワークライフバランスや、お給与のみではなく福利厚生等を重視したいといったお声をよくいただきます。

また、時短での勤務や在宅勤務に関するお問い合わせもよく頂いています。


3.ポストコロナに求められる人材とは?

このような状況の中で、これから求められる人材とはどのような人材でしょうか。

主には営業やカスタマーサービス等のフロント業務で売上に繋げることが可能な方です。

また、日本人としての優位性を発揮できる(日本語が話せる、日本文化に精通している)ことをはじめ、第3言語が話せる点もプラスポイントとなります。

また日系企業では、日本本社とのブリッジ役、マネジメントおよびリーダーシップを発揮できる方もポジションとして求められている傾向があります。

さらにITエンジニア、専門資格を持っている方はこれからさらに求められていく人材になるかと思います。

 

アジア全体で比較をしても、現在シンガポールは圧倒的に求人数が伸びており、売り手市場(求職者優位)となっています。

そのような中で、これまでご紹介した働き方の変化として在宅勤務メインにおける成果主義になっていることは変わらないので、信頼関係の元、結果にしっかりコミットできる方が求められているのではないかと思います。
 

4.質疑応答

ここからはウェビナーでの質疑応答の内容についてご紹介いたします。

1.未経験でシンガポールで仕事を見つけることは可能ですか?

チャンスはあります。ただし、未経験で応募可能な求人数は多くはないというのが現状です。

昨今はシンガポール国民を優先して就労ビザの取得基準が年々厳しくなっているため、より経験をすでに持っている人材が即戦力として求められやすいという背景があります。

このような中では未経験歓迎の求人は貴重ですので、ぜひチャンスをつかんでいただきたいと思います。

求人の詳細については、弊社のキャリアコンサルタントへお気軽にお問い合わせくださいませ。
 

2. インフレ率の向上により、物価指数が上がっていると伺っています。実際の生活への変化はありますでしょうか?

世界中で進んでいるインフレ状況にもれず、シンガポールでも物価指数が上がっています。

生活の変化として、生活消耗品や食品に関する物価は上がってきています。

また外国人居住者にとって大きく影響のある住居費については年々上がり続けており、同じコンドミニアムでも10%-20%の値上げがある状況です。

現状、シンガポールで一人暮らしをする場合は、大体2500ドルからが家賃の目安になっています。

一方で、前向きに捉えると、シンガポールではインフレに応じて給与が上がってきているということ、また円安も進んでいるため、外貨を得る点で見るとシンガポールで働くメリットを感じられると思います。
 

3.シンガポールでの初等教育の費用について教えてください。

シンガポールでの教育費用については、大きく分けて

①シンガポール国民として教育を受けるか
②シンガポール永住権を持つ対象として教育を受けるか
③外国人として教育を受けるか

以上の3点によって異なります。

現地の小学校に1年間通う場合は、シンガポール永住権を持っている場合は日本円で約20万円程度、外国人の場合は3~4倍程度となりますので、80万円程度となります。

さらにインターナショナルスクールの場合は300万円程度となります。

こちらはあくまで目安となり、実際は学校によって費用が異なりますので、ご希望の学校が決まりましたら学校へ直接お問い合わせください。

 

4.シンガポールで配偶者と暮らす場合は、共働きで生活することはできますか?

シンガポールで配偶者ビザを取得するためにはEP/Sパス保有者の方の月給が6,000シンガポールドル以上である必要があります。

EP/Sパスという就労ビザについては、こちらをご参照ください。

諸条件をクリアして、配偶者ビザ(DP)を取得した上、でワークパーミット(WP)を取得することで就労することができます。

DPビザをお持ちの方への求人については、弊社へお問い合わせください。
 

5.シンガポールで数年働いた後のキャリアステップを教えてください。

シンガポールで働いたあとのキャリアステップを考える前に、ご自身が描くキャリアをかなえていくためにシンガポールで働く経験がどのように活かせるか、という観点から考えると良いと思います。

細かいステップについては、ご一緒に考えるのもキャリアコンサルタントの役割でもありますので、キャリアについてお悩みの方がいらっしゃいましたらぜひキャリア相談をご活用いただき、お気軽にご相談ください。

 

一方で、シンガポールで働くことによって得られる経験は主に3つかと思います。

①英語を使って働く:シンガポールでは第2言語として英語を学んでいる方が多いので、英語が不完全でも理解をしてくれようとしてくれる方が多い印象です。仕事をしながら英語を学ぶという贅沢な環境に身を置くことができます。

②成長マーケットで働く環境:GDP成長率が7.2%と他国と比較しても圧倒的な成長マーケットに身を置いて仕事ができるということで、スピード感や成長を感じながらスキルアップを図っていくことが可能です。

③多様性あふれる環境の中で働くことができる:シンガポールでは、様々な文化やバックグラウンドを持った社員が働いています。

それぞれ異なる価値観を吸収しながら仕事をするというダイナミックな環境に身を置くことで、さらなるご自身の自信やキャリアステップにつながると思います。
 

5.最後に

今回は、先日のシンガポール就職最前線をお伝えするウェビナー内容についてお届けしました。

実際のウェビナーの様子については弊社Youtubeチャンネル内の以下のアーカイブ動画でもご紹介しています。

本記事ではご紹介しきれなかった質問も多数ございますので、ぜひ合わせてご覧くださいませ。

 

■前編:人材などの解説:ポストコロナ時代に求められる人材の特徴と人材市場動向の徹底解説(ウェビナー保存版)

後編:質疑応答 ポストコロナ時代に求められる人材の特徴と人材市場動向の徹底解説(ウェビナー保存版)

 

リーラコーエンシンガポールでは、今後もタイムリーな情報をウェビナー等で発信していければと考えております。

今回の内容について気になった方や、ぜひ就労について迷われている方がいらっしゃいましたらお気軽に弊社のキャリアコンサルタントへご相談くださいませ。

リーラコーエンシンガポールについて
ネオキャリアグループの海外事業部として、2011年に海外でサービス提供を開始し、アジア7の国12拠点にて人材紹介を行っています。

2016年からは日本国内企業に対し、日本で働く外国人の紹介事業も開始いたしました。

 

【スピーカー紹介】


鵜戸西奨(ウドニシ ショウ)
Singapore Branch Manager
1992年生まれ。日本大学卒業。
2014年からインドネシア法人でインターンシップを開始。
2015年より株式会社ネオキャリアへ新卒入社後、
3年間のインドネシア駐在を経て、最年少マネージャーとして、 2017年7月にシンガポールへ異動。
2019年7月より拠点長に就任。
2020年4月から人材紹介コンサルタントを兼務し、プレイングマネジャーとして活躍。
2015年、2016年に2度の新卒ルーキー賞を受賞。
2016年インドネシア拠点年間売上ナンバー1MVP賞を受賞。
2018年シンガポール拠点年間売上ナンバー1MVP賞を受賞。

飯田 洋平(イイダ ヨウヘイ)
Regional Japan Desk Manager
1990年生まれ 創価大学経営学部卒業
2013年に大手自動車メーカーへ入社。
2017年より日系人材会社へ転職し、製造業向けのキャリアコンサルタントを経験。
2019年にリーラコーエンシンガポールに入社。
2020年1月よりジャパンデスクの責任者となり、
同年7月にマネージャーに就任。
2019年2020年2021年、シンガポール拠点の年間売上ナンバー1MVP賞を受賞。

宮島あゆみ(ミヤジマ アユミ)
Senior Career Consultant
1989年生まれ 愛知教育大学卒業
2013年に空港運営会社へ入社。
営業・人事・新卒採用を経験し、
日本・シンガポール両国の国家資格キャリアコンサルタントの資格を有する。
2022年にリーラコーエンシンガポールに入社
 

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