業界研究シリーズ第2回 シンガポールのフィンテック 入門編
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。
以前のブログで、シンガポールの成長業界の一つに金融業界をご紹介しました。
現在、シンガポールには200以上の銀行があり、昨今のテクノロジーの急成長と人々のニーズにより、フィンテック分野における成長が顕著に見られています。
今回は、シンガポールのフィンテックについて、知識入門編をお届けいたします。
【目次】
1.フィンテックとは?
2.なぜシンガポールでフィンテック分野が伸びているのか
3.政府のバックアップと高まる人材ニーズ
4.最後に
1.フィンテックとは?
フィンテックとは、英語で金融を意味する「Finance」と技術の「Technology」を掛け合わせた造語です。
従来の金融サービスに革新的な最新テクノロジーを駆使することで、より良いサービスを提供したり、様々なプロセスを自動化する取り組みのことを指します。
「Fintech」という言葉は、すでにアメリカでは2000年代の前半頃から使われてきたそうです。
その後、リーマンショックをはじめとした金融危機を経て、インターネットやスマートフォンの普及が急速に進んできた中、これらを駆使した新しい金融サービスを提供するベンチャー企業が次々と台頭してきました。
これが徐々に「フィンテック」として浸透してきたことが始まりです。
フィンテックの代表的な例としては、オンライン送金や電子決済サービスなど。
また、最近では、ブロックチェーンのやAI(人工知能)などの最先端のイノベーションにより、個人の資産管理やローン設定なども全てデジタル管理されるようになってきました。
私たち消費者は日々の生活において、知らないうちにフィンテックのサービスに触れることが増えてきています。
そして、企業経営の観点からもフィンテックは無視できない存在になってきています。
また最近では、スマートフォンの所持率が高い発展途上国においても、急速にフィンテック分野の市場が伸びています。
例えば隣国インドネシアでは国民の銀行口座の所有率が40%程度であることに対し、スマホの所持率は70%です。
このため、電子マネーやバーチャルアカウントの使用率が高く、主要銀行などもオンライン部門に力を入れています。
2.なぜシンガポールでフィンテック分野が伸びているのか
シンガポールでは、今年の6月現在、1,007のフィンテック企業があるとされ、推定総資産は 4.7 兆シンガポールドルに上るそうです。
また、今後もシンガポールでのフィンテック業界は今後伸びていくとされていますが、その理由は大きく分けて3つ挙げられます。
まず1つ目は、金融業界の変革によるもの。
皆様が直近でイメージしやすいのは、新型コロナウイルスのパンデミック中にオンライン決済の機会が急激に増えたことだと思います。
これに対し、技術を駆使して消費者へシームレスな体験を促すための取り組みが引き金となり、金融業界、そしてフィンテック業界は日々大きな変革と成長を遂げています。
アメリカの金融サービス企業「Bankrate」が実施した調査によると、2022年現在、アメリカの総人口の27%はすでにオンライン銀行のみを利用しており、その割合は年々増えているそうです。
ニーズに合わせてサービスの形も変わっている金融業界の中で、コスト削減、効率化、デジタル化といったプロセスに欠かせない存在であるフィンテックが伸びていくのは必然だと言えるでしょう。
二つ目に、インフラ整備の面が挙げられます。
アジアの経済ハブとしてのシンガポールは、国土の95%を5Gがカバーするほど通信面でのインフラが整っています。
同時に、通信面と同じくらい大切な要素であるスマホ所持率も高いことも一つのポイントです。
シンガポール発の代表的なフィンテックのスタートアップ企業では「GoSwift 」や「Kashmi」などが挙げられます。
最後に、シンガポールはアジアの中でもフィンテック企業が多く、中国やインドを中心とした人口の多い国における優秀な人材や、ベトナムやフィリピンなど今後の成長が期待される国からの人材獲得をしやすいことも理由の一つです。
フィンテックに関する専門知識を持つ人材は、これからどんどん需要が伸びていくでしょう。
例えばブロックチェーン、ロボットによる業務の自動化技術(RPA)、クラウドコンピューティングに関する知識などが主な例です。
併せて、金融に関する個人情報をハッキングするなどの犯罪も増加すると予想されており、サイバーセキュリティに関する専門知識を持つ人材への需要も高まりそうです。
3.政府のバックアップと高まる人材ニーズ
シンガポール政府は、フィンテック業界をさらに発展させるために、企業や専門知識を持った求職者を対象に様々なインセンティブプログラムを用意しています。
インターン採用にかかる費用の一部を負担することや、スタートアップ企業の起業に関する報償などがその例です。詳しくはこちら)また、金融をはじめとした各企業も新規人材の採用を積極的に行っているようです。
たとえば大手銀行のOCBCは、向こう3年でシンガポールにて1,500名の技術専門職の新規採用を予定していると発表しています。
そのほかにも、「Bank of America」も、計2つのグローバルサイバーセキュリティ対策拠点のうちの1つをシンガポールに置いており、すでに800名以上の技術専門職が就業しているそうです。
4.最後に
今回はシンガポールにおけるフィンテック業界についての入門編をお届けしました。
新型コロナウイルスのパンデミックでほとんどの業界が影響を受けた中、フィンテック分野を含む金融業界は+4.7%の成長を遂げています。
ますますその成長への期待がかかります。来月11月2日~4日には、3年ぶりに開催となるシンガポールフィンテックフェスティバルが開催されます。
世界で最も大きなフィンテックに関する見本市で、新型コロナウイルスのパンデミック前に開催された2019年のイベントには1,000社以上が出展し、来場者は60,000人だったそうです。
現在、ビジネス関係者の方へ事前入場受付を行っているようですので、気になる方はチェックしてみてください。
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