モバイルバッテリー事故が世界で多発!飛行機に持ち込む前に知っておきたいポイント

こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。
先日、予約した飛行機が5時間も遅延したことで長時間空港にいたらスマートフォン (以降スマホ) の充電が想定より早く切れてしまい、肝を冷やす場面がありました。
こんなことならモバイルバッテリーや充電ケーブルを手元に持っていれば…と後悔したものの、最近モバイルバッテリーにまつわる事故の報道が多く、モバイルバッテリーを持ち歩くことを敬遠していました。
「そもそも、モバイルバッテリーを持って飛行機に乗れるんだっけ?」
そんな小さな疑問から、今回はモバイルバッテリーを持参しての飛行機搭乗に関する情報を調べてみました。
ホリデーシーズンに入り、皆さまも移動の機会が増える時期ではないかと思います。
安心安全に渡航するために、ぜひお出かけ前にチェックしてみてくださいね。
【目次】
1. 事故多発!モバイルバッテリー
2. モバイルバッテリーの扱い方Tips
3. 主要航空会社のモバイルバッテリー荷物制限
4. 最後に
1. 事故多発!モバイルバッテリー

急速なスマホ社会の発達により、テーマパークや飲食店など、消費者のスマホ所持に頼ったサービス提供をするビジネスも多く見受けられます。
特に外出時間が長い時はスマホの充電がもたない方もいらっしゃるのでは? (私もその一人です)
そんな事情も手伝い、モバイルバッテリーは今や外出時の必須アイテムとなっています。
これはスマホを多用する若い世代に特に顕著で、2023年の日本の調査では「Z世代*の76.7%がモバイルバッテリーを日常的に持ち歩いている」という結果が出ています。
*この調査ではZ世代を「1995年以降生まれの若年層」と定義
ただ、そのモバイルバッテリーに起因する事故が近年多発しているのも事実。
モバイルバッテリーに使われるリチウムイオン電池が発火するなどして、事故に発展するケースが多数報道されています。
炎天下の車内に放置したモバイルバッテリーが発火 夏の“ガジェット事故”、NITEが注意呼び掛け (IT media news、2024年7月16日)
今年1月には韓国・金海空港の飛行機機内で発火した事例も報道されています。
Power bank likely caused S Korea plane fire - investigators(BBC、2025年3月14日)
先月はオーストラリア・メルボルン空港でラウンジにいた乗客のポケットで突如発火。
Qantas business lounge passenger set on fire after power bank explodes in his pocket(BBC、2025年11月7日)
つい先日も、香港発シンガポール行きの飛行機機内で発火との報道がありました。
Power bank overheats & catches fire on Hong Kong to S'pore Scoot flight, cabin crew douses flames (mothership、2025年11月24日)
英語ではPower Bankと一般的に呼ばれるモバイルバッテリーは、シンガポールの消費者製品安全局 (CPSO) も安全利用を訴えています。
2. モバイルバッテリーの扱い方Tips

モバイルバッテリーが発火する理由は、主に内部短絡 (ショート)・過熱・過充電による「熱暴走」です。
これらを引き起こす原因には高温環境、充電の長時間放置、衝撃、粗悪品、劣化などが挙げられますが、使っていなくてもいきなり発火するなんて不安ですよね。
実際に、夏の猛暑で車内に放置していたバッテリーや携帯扇風機から発火したケースも報告されています。
モバイルバッテリーの扱いには、このような注意が必要です。
・信用できるメーカーから購入すること
安いからといって安易に購入しないこと。チープなもの、デザイン性の良いものに惹かれがちですが、それだけを理由に購入するのは危険です。日本で販売されている商品であれば、PSEマークがあるものが安心です

出典: 日本品質保証機構
一方で、シンガポールで販売されるモバイルバッテリーには安全表示の義務がありません。せめてメーカー保証が受けられること、シンガポール国内にサポートセンターがある商品を購入するのが安心です。また、大手メーカー製品でもリコールが起こることがあるので注意しましょう
★シンガポール国内でのモバイルバッテリーのリコール情報 (CPSOウェブサイト)
・過充電、充電ゼロでの長時間放置もNG
充電したままの放置はもちろんNGですが、バッテリーがゼロの状態が長く続くことも劣化を早める原因となります。またベッドや布団など可燃物の近くで放置・保管は避けましょう
・熱くなるのを避ける
熱を帯びることが何よりの大敵。高温下での保管はもちろん、モバイルバッテリーを差し込んで充電しながらのスマホ利用も控えるのが無難です
・純正品での充電を
使用するケーブルはバッテリー購入時に付属していた純正品を使いましょう
・異変を感じたら即利用中止!
本体が膨張している、異臭がする、本体の色が変わる、利用していないのに熱い、といった異常を感じたらすぐ利用を中止し、破棄しましょう
★シンガポール国内での電子ゴミ回収スポット (国家環境庁ウェブサイト)
・万が一発火してしまったら…
鍋や工具箱などの金属製の容器に入れてフタをすることで、被害を最小限に抑えられます。また火が出た時は大量の水に沈めるのも有効です。そしてすぐに消防 (995:シンガポール) に通報しましょう。もし車内で火が出た場合には自分で対処しようとせず、車から離れて消防に通報です!
【過去記事】シンガポールの治安と気をつけるべきこと、緊急連絡先について【2024年最新】
3. 主要航空会社のモバイルバッテリー荷物制限

昨今の事故の頻発を受け、IATA (国際航空運送協会) をはじめ航空各社は、モバイルバッテリー (リチウムイオン電池) の持ち込みについて基準を設けています。
IATA (国際航空運送協会) 「モバイルバッテリー (リチウムイオン電池) は手荷物持ち込みが原則。預け荷物は不可」
ICAO (国際民間航空機関)「100Whを超えて160Wh未満のリチウムイオン電池は航空会社の承認があれば持ち込み可、ただし 160Wh超は不可」
上記を原則として、主要な航空会社のモバイルバッテリー持ち込み規定についてお届けします。
以下、2025年11月時点での情報となります。
■シンガポール航空、スクート航空
モバイルバッテリーを受託荷物に入れることは原則不可です。
機内持ち込みについてはワット時定格量 (Wh) の大きさによって対応が分かれます。
100Wh以下: 特別な承認なしに機内への持ち込み可 ※一人15個まで、またスペアは20個まで
100〜160Wh: 航空会社への事前承認が必要 ※一人2個まで、またスペアも2個まで
160Wh超: 持ち込み不可
機内に持ち込み可能でも、機内でのモバイルバッテリー使用および機内充電は禁止されています。(2025年4月1日より)
■全日空 (ANA)
モバイルバッテリーを受託荷物に入れることは原則不可です。
100Wh以下: 一人20個まで機内持ち込み可
100〜160Wh: 一人2個まで機内持ち込み可
160Wh超: 持ち込み不可
■日本航空 (JAL)
モバイルバッテリーを受託荷物に入れることは原則不可です。
100〜160Wh: 一人2個まで機内持ち込み可
160Wh超: 持ち込み不可
※100Wh以下の場合の言及が公式サイトには見られないため、多く個数を機内に持ち込みたい場合は問い合わせするのが無難です
また、日本の国土交通省より、日本の航空各社には機内にモバイルバッテリーを持ち込む場合の協力要請事項を付け加えています。(2025年7月8日より制限)
① モバイルバッテリーを座席上の収納棚 (Overhead Compartment) に収納しない
② 機内でのモバイルバッテリーから携帯用電子機器への充電、又は機内電源からモバイルバッテリーへの充電については、常に状態が確認できる場所で行う
シンガポール航空・スクート航空では機内でのモバイルバッテリーを使用する充電が禁止でしたが、日本の航空会社では「常に状態が確認できる場所で行え」ば良いようで、各社対応が異なるようです。
■エアアジア
100Wh以下: 特別な承認なしに機内への持ち込み可 ※一人5個まで
100〜160Wh: 航空会社への事前承認が必要 ※一人2個まで
160Wh超: 持ち込み不可
エアアジアは上で挙げた他社より厳しい制限を課しており、モバイルバッテリーの座席上の収納棚への収納も、機内での利用・充電も共に禁止されています。
なお、これまでお伝えしたのはモバイルバッテリーに限定しての荷物制限です。
リチウムイオン電池はパソコンや携帯電話、デジカメなど様々な電子機器に搭載されているので、各製品の対処法など詳しい情報は各企業のウェブサイトをご覧ください。
今年に入ってさまざまな航空会社が続々と規定を変更しているため、今後モバイルバッテリーを持って旅行に出かける方は、最新の情報をチェックしておきましょう。
ちなみに私のモバイルバッテリーの表示には「18.5Wh」とありました。
100Whどころか容量がだいぶ少ないようなので、安心して持ち込めそうです。
4. 最後に

モバイルバッテリーに使われるリチウムイオン電池は便利な反面、その性質から様々な課題も指摘されています。
かと言って、外出先でスマホの充電が切れてしまうような事態は避けたいものです。
電池残量が心配という方には、シンガポール国内であれば外出先で充電できるサービスも充実しています。
モバイルバッテリーを一日持ち運ぶストレスからも解放されて、オススメですよ!
Charge Spot SG
セントーサ島、セブンイレブン、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイなどにステーション設置
PowerOn SG
ユニバーサルスタジオ・シンガポールやVivo City、ION オーチャードなどにステーション設置
ストレスフリーなスマホ生活、そして旅先での安心安全を手に入れて、良いお年をお迎えください。
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