20年ぶりの首相交代!新首相ローレンス・ウォン氏はどんな人?

こんにちは! リーラコーエン シンガポール リサーチャーのShihoです。

来る2024年5月15日、シンガポールにとって、四代目となる首相が誕生します。

2004年以来シンガポールの発展に貢献してきたリー・シェンロン首相(72)が、現在副首相・財務大臣を務めるローレンス・ウォン氏(51)に政権運営の重役を引き継ぎます。

20年ぶりの首相交代という歴史的な日を目前にして、リー首相の功績と、新首相ウォン氏の略歴を振り返っていきます。
 

【目次】
1.20年ぶりの首相交代
2.リー・シェンロン首相の遺した功績
3.新首相ローレンス・ウォン氏は、どんな人?
4.最後に


1. 20年ぶりの首相交代

昨年2023年11月、与党「人民行動党(PAP)」の党大会の演説にて、リー・シェンロン首相はかねてより次期首相にと指名していたローレンス・ウォン氏の首相就任を明言しました。

その流れで首相交代を5月15日に行うということが、先月4月に首相府より発表されていました。

これは、以前より計画発表していたPAPの「第4世代」(40~50代の国家指導者層)への本格的な政権移譲を意味します。

5月15日午後8時にイスタナ(大統領府)で宣誓式が実施される予定で、これによって1965年の独立以降四代目となる新首相の誕生となります。

 


2.リー・シェンロン首相の遺した功績

シンガポールの初代首相リー・クアンユー氏の長男であるリー首相は、2004年に三代目首相に就任して以来、シンガポールの発展・繁栄に多大な貢献をしてきました。

在職20年間での彼の功績を大別してまとめます。

・国家のグローバル化推進と、経済規模の拡大
 在任中、GDPは1940億シンガポールドル(以降SGD)から7000億SGD規模にまで拡大した

・危機に際しての危機管理能力、環境適応力の発揮
 2008年の金融危機、先のパンデミックなど、国家的危機に遭っても国の成長を止めず最善を尽くした

・教育と人的資本開発の充実
 国民への教育は最重要事項におき、技術教育とポリテクニック訓練の道を拡大した

・社会政策の改革
 国の発展に伴い、近年は社会的セーフティネットの充実や所得格差の縮小といった課題にシフトチェンジした。国民の世帯所得は上昇傾向のまま、所得格差を示す数値は過去10年間低下という両立を実現している

・病を乗り越えてのリーダーシップ発揮
 1992年にリンパ腫を克服したリー首相は就任以来、公共サービスの充実を重要視してきた。また首相自身、厳しい決断と親しみやすい人柄のバランスを取りながら、国民との信頼関係を育んできた

リー首相は、かつての首相たちがそうしてきたように、首相退任後もしばらく上級大臣として閣内にとどまる予定ですが、新首相や新世代チームに対して「全幅の信頼を置いている」と評しています。
 

 

3.新首相ローレンス・ウォン氏は、どんな人?

この度、四代目の首相となるローレンス・ウォン氏はどのような方なのか、紐解いていきます。

1972年12月18日生まれのウォン氏は、イーストコーストのマリンパレードにある公団住宅で子ども時代を過ごしました。

中国からマレーシアへ、その後シンガポールに移ったセールスパーソンの父親と教師の母親の次男として育ち、読書やギター演奏が好きな少年だったそうです。
 

イーストコーストに今もある小学校、中学校、ジュニアカレッジを経てからは、奨学金を受けて米国ウィスコンシン大学マディソン校で経済学の理学士号を取得。

1995年にはミシガン大学で応用経済学の修士号を、2004年にはハーバード大学で行政学の修士号を取得しました。
 

ウォン氏のキャリアは、アメリカからシンガポールに戻り、通産省官僚としてスタートしました。

その後は財務省、保健省に赴任。2005~2008年にはリー首相の首席秘書官を務め、2011年から政界入りしました。

内閣やPAP党内で重要ポストを歴任。

政界でも頭角を現したウォン氏の顕著な功績として、新型コロナウイルスのパンデミック下での適切かつ迅速なリーダーシップの発揮が挙げられます。

COVID19タスクフォースの共同議長を務めたウォン氏率いるチームの働きにより、シンガポールは他国の都市に比べて被害を軽くとどめ、また情報を隠さず明かすコミュニケーションスタイルで政府と国民の間の信頼関係も維持しました。

こうして2022年4月にPAP第四世代のリーダーとなり、同年6月に次期首相候補として副首相の座に就いています。


ウォン氏は2022年、自身を「常に現実的だった」「ポストや地位、権力に憧れたことは一切ない」と語っており、公務員時代から冷静沈着、政策の細かなディテールや公共サービス分野に強い人物として知られています。

今後は高齢化、新興テクノロジーとの融和、サステナビリティといった国内課題に取り組む一方で、グローバル経済におけるシンガポールの高いプレゼンスを維持することが期待されています。

 


4.最後に

2024年5月15日は20年ぶりの首相交代という、この国の重要な歴史の1ページとなります。

そのようなタイミングにシンガポールに居合わせることは幸運とも言えます。
 

ウォン氏は副首相として2022年、これからのシンガポールがローカル・グローバル両面で直面する課題を次の10年、更にその先でどのように乗り越えていくかという包括的ロードマップ「Forward Singapore」を発表しています。

経済・雇用、教育・生涯学習、健康と社会的支援、家庭や生活環境、環境と財政の持続可能性、シンガポールのアイデンティティといった6つの主要テーマを中心に、今後舵取りを担っていく様子を見せてくれることと思います。

新生シンガポールの更なる発展を期待して、この記事がシンガポールの理解への一助となれば幸いです。
 

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