こんにちは。

リーラコーエン シンガポールの平林です。

 

長い冬が明け、日本は卒業シーズン真っ只中ですね。

4月入社の新卒の方は新しく待ち受ける環境に期待と不安で胸がいっぱいかと思います。

そんな中、香港を拠点とするYouTuberの動画でシンガポールの国立大学(NUS)の学部生数人に対し、初任給に期待する額についてインタビューしたものが話題となりました。

驚くべき彼らの回答は月額5,000ドルから10,000ドルの範囲となり、多くの反響を呼びました。

 

実際に気になるシンガポールの初任給は一体いくら位なのでしょうか？

今回はシンガポールの教育省(MOE)のデータをもとに、シンガポールの初任給についてお届けいたします。

 

1. シンガポールの初任給について

MOEは2022年に就職したばかりの新卒者10,700人に対して、給与に関するアンケートを行いました。

アンケート対象者はシンガポール国立大学(NUS)、南洋工科大学(NTU)、シンガポールマネジメント大学(SMU)、シンガポール工科デザイン大学(SUTD)、シンガポール工科大学(SIT)、シンガポール社会科学大学(SUSS)が含まれます。

調査結果によると、フルタイム雇用における新卒者の月給平均は2021年の3,800ドルから1年で4,200ドルまで増加しました。

中でもSMUの新卒者は昨年に引き続きトップの金額となり、平均で4,500ドルの結果に！

続いてNUS新卒者が平均で4,300ドルでした。

更に6大学すべてにおいて法学部卒業生の平均月収が6,375ドルで最高額でした。

これに続いて、情報およびテクノロジーの分野を専攻していた新卒者の平均月収は5,625ドルでした。

日本の厚生労働省のデータによると令和元年(2019年)の大卒初任給は21万円となり、シンガポールと比べるとその差は約2倍。

シンガポールの物価上昇に伴う賃金高騰の影響は、新卒者においても例外とは言えないようです。

 

2. 初任給の交渉は可能なのか？

答えからお伝えすると、新卒者が業界平均よりも大幅に高い初任給を要求するのはかなり難しいかと思います。

その理由は「未経験」という一言につきます。

いくらインターンシップ等の就業経験があっても、新卒者が給与交渉をするには実務経験が少なすぎるということでしょう。

しかしながら新卒者の初任給に一定の決まりはなく、その企業とポジション、期待される役割やポテンシャルによっても大きく異なるかと思います。

ご自身のコアスキルと会社にどのように貢献できるかを明確にすることで、自身を価値のある候補者として位置付けることは大切です。

面接の際には、大学でのプロジェクトや過去のインターンシップから得た関連スキルなどをアピールしてみてください。

個人をブランディングすることは、新卒者だけでなく中途採用の転職時にも役に立つスキルとなります。

ただし、あまり強気になりすぎないことがポイントです。

月収だけにとらわれず、全体の報酬パッケージを考慮して、交渉が可能な場合のみご自身のご希望をお伝えいただければと思います。

 

3. 長期的なキャリアの見通しを考慮する

もちろん初任給が高いことは魅力的なポイントではありますが、それだけを理由にお仕事を決めてしまうのは少し早すぎるかもしれません。

長期的なキャリアの見通しはあらゆる要因によって決まります。

例えば、その会社にはメンターシップや部門を横断するトレーニングプログラム、海外研修などはあるのか？

新卒者としてこの先何十年も仕事をする上で、この先どうなりたいか？

将来を見据えて、今後見につけたいスキルや業界知識、5年後10年後の自分に何が必要なのかを想像することが大切です。

最初の仕事は自身の専門分野を築く重要な環境となり、今後のキャリアにおいてもかけがえのないものとなります。

もちろん最初の職場ですべてが決まる訳ではありませんが、新卒者として就職できる最初のチャンスをぜひとも最大限活かしてみてください。

 

最後に

今回はMOEのデータをもとにシンガポールの初任給についてご紹介いたしました。

シンガポールの6大学出身者に限らず、シンガポールの初任給は年々増加傾向にあります。

また、シンガポールは優秀な学生やスキルを持った人材の誘致も積極的に進めており、年々難化するビザの取得にあたり大きな鍵となります。

新卒、未経験でも応募可能な求人を知りたい方は、お気軽にこちらからお問合せくださいませ。

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