空気を食べる?!シンガポールの次世代の「食」に迫る
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。
突然ですが、「食の安全保障」という言葉をご存知ですか。
不測の事態が起こり、海外からの食料の供給が不安定になったケースに備え、国家として自国民への供給を保障するための対策を講じることを指します。
国土が狭く、170以上の国から食料を輸入しているシンガポールの2022年現在の自給率は10%未満と言われており、食の安全保障に関する様々な取り組みを行っています。
そんな中、先月26日、シンガポールの食品庁(SFA)がフィンランドのスタートアップ企業による微生物と空気から作られたタンパク質の粉末を世界で初めて新規食品(ノベルフード)として認証したことが話題となりました。
「ノベルフード」とは、これまで人間が食品として摂取してこなかった新しい食品のこと。
目に見えないものから食料を生み出す。
今回は、そんな驚きのニュースの詳細とシンガポールの食の安全保障への取り組みについて迫ります。
【目次】
1.そもそも「タンパク質」とは?
2.微生物と空気から作られる次世代タンパク質「ソレイン」
3.シンガポールにおける食の安全保障への取り組み
5.最後に
1.そもそも「タンパク質」とは?
私たちの体の15%〜20%を構成し、健康の維持に欠かせないタンパク質。
そもそも、タンパク質とはおよそ20種類のアミノ酸の配列が結合することによって作られている栄養素です。
このうちの9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で作られることが出来ないため食事から摂取しなければなりません。
このアミノ酸の結合や配列の繰り返しによって、日々私たちの筋肉や内臓、髪や爪は成長し、免疫機能も維持されています。
ご存知の通り、タンパク質はお肉や魚、卵や乳、大豆製品などに多く含まれています。
一日の望ましい摂取量は年齢にもよりますが、自分のこぶしのおよそ3つ分と言われています。
タンパク質の摂取不足が問題になっている最近では、自身の健康維持や筋肉の増強などを目的にプロテイン粉末を摂取する人も増えています。
2.微生物と空気から作られる次世代タンパク質「ソレイン」
さて、今回発表された次世代のタンパク質とはどのようなものなのでしょうか。
「ソレイン」と呼ばれる黄土色のような色をした粉末は、1年の審査期間を経てシンガポールで認証されました。
空気中のガスを体内に取り込んだ微生物に、二酸化炭素や水素、酸素、などを与えて培養し、粉末状にしたもので、なんとその65~70%にタンパク質が含まれており、9つすべての必須アミノ酸が含まれているそう。
その他の栄養素としては、脂質が5~8%、食物繊維10~15%、そしてミネラルが3~5%含まれています。
このような栄養素の構成は、乾燥大豆や海藻に似ているそうです。
今回ソレインを開発したフィンランドの企業「ソーラー・フーズ」は、食用可能な微生物を様々な場所から探し出すのには長年の努力を要したとしています。
「水と電気があれば作れるタンパク質」と謳っており、低コストで量産可能な次世代食品として早くも注目が集まっています。
肉や魚の代替タンパク質としての期待が高まるとともに、その粉末形状から、既存食品に足すことでタンパク質値を高めるための汎用性もありそうですね。
同社によると、来年を目途にフィンランド国内での商用生産を始め、シンガポールでも販売することを予定しています。
気になる方は同社ホームページをチェックしてみてくださいね。
3.シンガポールにおける食の安全保障への取り組み
タンパク質が効率的に摂取できる食べ物の現在の代表格といえば鶏肉ですね。
シンガポールでは、つい最近までマレーシアからの鶏肉の輸入が止まっており、一時期多数のお店で鶏肉が入手困難になっていたことが話題になりました。
食料の90%が輸入で成り立つシンガポール、食の安全保障の観点から、2030年までに自給率30%を目指す「30×30」計画が掲げられています。
最近では、本計画を推進するにあたり、最新の技術を駆使し、24時間稼働のセンサーによる栽培効率を上げる照明や水の循環などの仕組みを取り入れたり、なるべく多数の出荷可能な野菜を生産するための害虫駆除の実施、空きスペースを用いて効率的に野菜の栽培を行うなど、農家の取り組みが注目されています。
食品庁は、このような最新技術を取り入れた5事業に計 780 万シンガポールドルの助成金を提供しているなど、積極的な支援を行っています。
また、こうした取り組みや政府からの資金援助を経て、シンガポールでは新たなアグリテック企業(農業領域とテクノロジーを掛け合わせた取り組みを推進する企業)なども増えています。
4.最後に
今回は、先月シンガポールで新たに認証された次世代タンパク質「ソレイン」と、シンガポールを取り巻く食の安全保障について詳しくお届けしました。
この他にも、シンガポールでは先月、昆虫食の輸入や、国内での昆虫食を目的とした虫の養殖の認可などに関する基本方針が発表されており、今後も積極的に次世代の食品における国内での取り扱いに関する議論が活発に行われています。
2030年までに自給率30%を目指すシンガポール。
今後の「食」の充実から目が離せませんね。
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