必要以上に頑張らない、今流行りのQuiet Quittingとは?
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールの平林です。
シンガポールでは若者の離職率の上昇が叫ばれる中、新たな波が市場に広まっております。
今、若者の間で俄かに流行している「Quiet Quitting」という言葉をご存知でしょうか。
Quiet Quitting;直訳すると「静かな退職」となりますが、決して仕事を辞めることではありません。
もともとこの言葉自体は存在していたのですが、コロナ禍でリモートワークが進む中、SNSを通じて更に浸透したそうです。
必要以上に頑張らない、今流行りのQuiet Quittingとは一体?! 今回はその実態を深堀りしてみました。
【目次】
1. Quiet Quittingとは
「Quiet Quitting」とは、手短に言うと「出世(上にいく)という考えをやめる」ということです。
過労が美化されていた時代を否定し「給料を得るために求められる仕事はこなすが、それ以上は頑張らない」という考えのことを「Quiet Quitting」と呼びます。
TikTokから火がつき、俄かに若者から指示を得ているこの考えは、仕事を超えて人々の人生(生き方)に対する大きな呼びかけとなり、多くのメディアにも取り上げられております。
有名なTikTokerはQuiet Quittingを「働くことに対する考え方の変化」と表し、仕事だけが人生ではないと主張しております。
Quiet Quittingのことを「怠け者」と非難するケースも見かけますが、まずはこの考えが多くの若者に支持されている根底の理由を掘り下げる必要があるかと思います。
教師からITエンジニアに至るまで、幅広い業種の多くの従業員がQuiet Quittingを支持する理由とは一体何でしょうか。
2. なぜ今、Quiet Quittingが流行っているのか
多くの人はこの言葉を「ハッスル・カルチャー(仕事に全力投球で頑張らなくてはいけない、という文化)」に反発するために使っております。
冒頭でお伝えした通り、この新たな概念は、新型コロナウイルスパンデミックにより広まったそうです。
その理由の一つは、世界的危機による人々の生活に対する根本的な考え方の変化によるもの。
そしてもう一つの大きな理由は、リモートワークによる会社とのエンゲージメントの欠如と言えるでしょう。
State of the Global Workplace: 2022 Reportによると、東南アジアの従業員のうち、積極的に仕事に取り組んでいるのはわずか24%という結果でした。
残り4分の3は、仕事や会社に執着していないQuiet Quitterに該当します。
インフレ率を下回る昇給率もこの考えを加速させている大きな要因となり、Quiet Quittingを次の仕事への移行期間とし「省エネモードで働きながら、自分が求めるライフスタイルに最適な仕事を見極める時間」と考える方もいるそうです。
受動的で仕事に対して無関心なQuiet Quitter。
あまり聞こえはよろしくありませんが、一つの新たな考え方として受け入れつつ、より効果的に働いてもらうにはどうすればよいでしょうか?
次の項目では従業員を再びエンゲージさせ、仕事の充実感と目的を再び見つけられるように支援する方法をいくつかご紹介いたします。
3. 企業側の対応策
ここでは企業側の視点から、従業員のエンゲージメントを高める3つの方法をご紹介いたします。
明確な社内ポリシーの設定
このリモートワーク時代において、仕事と私生活の境界線はますます曖昧になっているかと思います。
オフィスにいて周囲の同僚がパソコンを閉じるという視覚的な合図がないことで、1日の終業のスイッチを切るのが難しいと感じる従業員もいるそうです。
リモートで働く従業員のスイッチを切ることはできませんが、スイッチが常にオンになっている、切りづらい状況は心理的ストレスの上昇につながります。
Quiet Quitterの多くは、燃え尽き症候群の結果、仕事から少し離れるという選択をするケースが多いようです。
過剰な熱意や労働によって心身共に弱っていき、最低限のものに落ち着くという流れです。
ではどのように従業員の熱意や労働量、精神的ストレスの解放をすれば良いのでしょうか。
それは、明確なポリシーを設定し、上司と従業員の間で一致させることです。
マイクロソフトのCEOであるサティア ナデラ(Satya Nadella) は、スタッフに過度なプレッシャーを感じさせないように、マネージャーが明確な基準を設定することの重要性を強調しております。
マネージャー側から進んで期待を調整することで、従業員の懸念を和らげ、またスタッフの健康を重視していることも示します。
例えば、特定の時間以降は仕事の電子メールの送信を控える、もしくは不可能にする等です。
こうした公的な会社の対処により、従業員が忠誠心を証明するがごとく、真夜中や週末にさえもメールを返信しなければならないという「常時接続」文化を断つことが大切です。
日頃の感謝を伝える
米調査会社ギャラップが行った調査では、従業員の関心を維持し全体の士気を高く保つには、評価を受けることが不可欠であるという結果がわかりました。
恐らく誰にでもあてはまることだと思い、日頃の感謝や正当な評価を行うことは当たり前の話ではあるものの、きちんとした基準や場がないと機会を逃してしまうのも事実です。
リモートワークで社内のコミュニケーションが希薄になっている場合は尚更です。
自分の仕事が正当に評価されない、感謝を感じられないことは、ますます従業員の意欲を失う可能性があります。
したがって、日頃から感謝を伝える職場文化を育むことが大切です。
マネージャーは先頭に立ち、感謝のメールやスタッフミーティングでの拍手など、会社全体が前向きな姿勢であることを示すことが重要です。
ささやかな感謝の気持ちでも、従業員のモチベーションを高めるには大いに役立ちます。
更には、心から感謝をすることでポジティブな循環が生まれ、職場全体の幸福度が大幅に向上します。
当然のことながら、仕事の生産性も向上します。
定期的に称賛されることで、従業員は進んで新しい責任を引き受け、さらなる一歩を進む意欲が高まることでしょう。
給与以上の目的と結びつける
仕事は給料を得るためだけにするのではありません。
特に「パーパス世代」と呼ばれるミレニアム世代は、キャリアに目的意識を求めています。
2020年のデロイトの調査では、有意義な仕事がエンゲージメント理由のトップ3の1つとして特定されており、多くの従業員は自分が機械の歯車ではなく、社会貢献や世界に影響を与えていることを実感したいと考えていることが分かります。
したがって、まず大切なのは従業員がいかに自分の役割が重要であるかを理解することです。
マネージャーは、日々の仕事がどのように社会に貢献しているかを従業員に示すことで、本人のモチベーションを高めましょう。
明確な目的や社会貢献、自身が世界へ影響を与える仕事をしていると認識することで、日々の仕事に対する姿勢にも変化が現れるかと思います。
最後に
今回は今流行りのQuiet Quittingについて、その実態と企業側の対応策をご紹介いたしました。
Quiet Quittingは怠惰だと認識されるケースもありますが、あくまで職務を全うすることが前提となり、完全に仕事を放棄するということではありません。
働きすぎな現代社会においては、個人の心身を守る上で、必要な考え方とも言えるでしょう。
実際にQuiet Quittingの考えを取り入れ、働き方を変えたために、成績や効率が良くなった方もいるそうです。
企業側としては、あくまでも従業員の身体と心の健康を大切にし、一人ひとりの人生を尊重すべきかと思います。
その上で、個人と企業間の相互理解によるエンゲージメントの向上が、より良い働き方に繋がるかと思います。
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