シンガポールが昆虫食を解禁へ!サステナブルな食への取り組みとは

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

突然ですが、皆様は昆虫を食べたことはありますか?

今年3月、シンガポール食品庁(SFA)は、2023年下半期中に、シンガポールでバッタや蚕などの昆虫食を解禁する見通しであることを発表しました。

日本では、魚などが採れない内陸部を中心に昆虫は重要なタンパク源として食べられてきた歴史があります。

一方で、シンガポールではこれまで動物飼料としての昆虫の流通は条件付きで認められていたものの、ヒト向けの食用昆虫が認められるのは初めてのこと。

SFAは、「シンガポールで消費される昆虫食は完全に殺菌されて衛生的な方法で取り扱われたものであること、そして包装されていることや汚染物質を含まないことを証明する関連文書の提出など、一連の食品安全規制を満たす必要がある」としています。 


2030年までに食料自給率を30%まで引き上げるという行動計画「30×30」を打ち出すシンガポール。

サステナブルな食については以前より積極的な取り組みが行われています。

今回は、そんなシンガポールで解禁される見通しの「昆虫食」に迫ります。

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【目次】
1.昆虫食のメリット:環境に優しいタンパク質?!
2.どんな昆虫が解禁されるの?
3.食の自給率アップを目指すシンガポールの「30×30計画」とは
5.最後に


1.昆虫食のメリット:環境に優しいタンパク質?!

今回、シンガポールで解禁される見通しとなった昆虫食、実際に世界的にも注目されている食材です。

一体なぜでしょうか。

その一番の理由として、環境への負荷が少ない栄養食品であることが挙げられています。

例えば昆虫食の代表格であるコオロギを飼育するための飼料や水は、現在主流のタンパク質である鶏や牛を飼育するために必要な量の約3分の1程度と言われています。

また、鶏や牛などは飼育するために広大なスペースやマンパワーが必要となりますが、昆虫の場合は一定の飼育条件さえ管理すれば省スペースおよび温室効果ガスの排出も最低限で量産できることもメリットとして挙げられています。


加えて栄養価も高いこともポイントです。

高タンパクであることだけではなく、ミネラルやビタミンも含まれており、健康食としてのポテンシャルに大きな期待がかかります。

同時に、昆虫を人用の食品としてはなく、まずは動物の飼料や化粧品の原料となるバイオ材料として活用する動きも見られています。


また、実際にシンガポールに拠点を置く昆虫食をビジネスにするスタートアップ企業も増えています。

2015年時点には1社しかなかったスタートアップ企業も、2022年末には15社まで増加したそう(※シンガポール企業庁より)。

食用の蚕を取り扱う日系のスタートアップ企業「Morus」もシンガポール法人を設立するなど、どんどん増加の一途を辿っており、全体的な市場の拡大も期待できそうです。


2.どんな昆虫が解禁されるの?

今回、シンガポールでは、具体的にはコオロギやバッタ、コガネムシ、ハチ、蚕の仲間を含めた16種類の昆虫が許可される見通しです。

SFAは昨年10月から12月の間に、食品・飼料を扱う関係者へ昆虫製品の規制に関する意見公募を行いました。

寄せられた53件の回答をもとに、「これまで世界で直接、または加工されて食べられているという実績のある昆虫に限り、今回の解禁に踏み切る」、としています。

実際に近隣アジア諸国を例に見ると、すでにタイではバッタやスズメバチの幼虫をおやつにしたものがよく食べられているそう。

特にコオロギは世界に先駆けて養殖文化も進んでおり、普段の食卓に上がるなど人々に親しまれています。

同じくベトナムでもコオロギは様々な調理法で好んで食べられているようです。

今後、そのままのインパクトのある形のみならず、潰して粉末状にしたものや、加工してプロテインバーにしたものなど、様々なバリエーションが増えていくことが予想されます。

 

3.食の自給率アップを目指すシンガポールの「30×30計画」とは

毎年積極的に新しい食べ物を取り入れたり、活発な議論が行われたりするシンガポールですが、実は食料の90%が輸入で成り立っています。

現在は、食の安全保障の観点より、2030年までに自給率30%を目指す行動計画「30×30」が掲げられています。

最近では、本計画を推進するにあたり、様々な技術を取り入れた農家の取り組みも注目されています。

例えば、最新技術を駆使した24時間稼働のセンサーによる栽培効率を上げる照明や水の循環などの仕組みを取り入れたり、なるべく多数の出荷可能な野菜を生産するための害虫駆除の実施、空きスペースを用いて効率的に野菜の栽培を行う、など。

こうした取り組みを行う企業に対しては助成金も支給するとSFAも発表しています。

今後、ますますシンガポール発の食への取り組みが活発化しそうです。

昆虫食も、その取り組みの1つとして少しずつ普及していくことが考えられます。


4.最後に

今回は、つい先日発表された昆虫食解禁について、そしてサステナブルな食の供給を目指すシンガポールの取り組みについてお届けしました。

日本や近隣アジア諸国でも昔から食べられてきた昆虫。

シンガポールではこれまで昆虫を食べる文化がなかったため、専門家は一般的に家庭へ受け入れられるには少し時間がかかることを予測していますが、一人ひとりが食の未来に目を向け新しいものを受け入れていくことで、スーパーマーケットの棚にも陳列される日も近そうですね!

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