全額企業負担って本当!?従業員の医療費について【シンガポール雇用法】
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールの平林です。
先日のブログにも記載した通り、MOMはWPおよびSパス保持者に対する医療保険を強化すると発表しました。
そもそも、WPおよびSパス保持者の場合、医療保険への加入が雇用主に義務づけられており、保険がない限り就労ビザの発行はできません。
それではEP保持者の場合はどうでしょう。医療保険について何か規定はあるのでしょうか。
答えは「No」です。
EP取得や発行に伴う保険加入の義務はありません。
しかしながら、タイトルの通り、シンガポールの雇用法で守られているすべての従業員(ローカル、外国人含む)に対して、雇用主の医療費負担義務が発生します。
今回は、実はあまり知られていない従業員の医療費について、シンガポールの雇用法に基づいてご紹介いたします。
1. シンガポール雇用法とは、対象者の条件
シンガポールの雇用法(Employment Act)は1968年に制定されました。
その内容は、シンガポールの労働基準や給与の支払い、解雇や労使間の権利義務について網羅しています。
シンガポールの雇用法は基本的に雇用主との雇用契約に基づくすべての従業員が対象です。
(例外として、休日や労働時間、およびその他の勤務条件を規定している第4項のみ、管理者およびExecutiveレベルは対象外となります)
外国人従業員ももちろん対象として含まれており、雇用形態は正社員(フルタイム)に限らず、パートタイム、契約社員も含まれます。
(外国人従業員の場合は、別途外国人労働者雇用法(FMA)もカバーされます)
船員や移民家事労働者、公務員等は対象外となりますが、それ以外の雇用関係にあるすべての労働者がシンガポール雇用法によって守られています。
2. 医療費の払い戻し内容と条件について
以下の条件をすべて満たしている場合、雇用主は従業員の医療費(診察料)の負担義務が発生します。
- 雇用開始から3か月以上働いた場合
- 1日以上の有給病気休暇(Medical Leave)を取得した場合
- MC(Medical Certificate)が公的機関*の医師もしくは会社によって指定された医療機関から発行された場合
払い戻し対象は診察料(Consultation Fee)のみとなり、薬代やその他の処置費は含まれません。
気を付けなければならないのは、企業は診察料の払い戻しの上限を定めてはならず、基本的に上記条件を満たす場合は全額企業負担となります。
*公的医療機関リストは以下の通りです。
- Admiralty Medical Centre
- Alexandra Hospital
- Ang Mo Kio – Thye Hua Kwan Hospital
- Bright Vision Hospital
- Changi General Hospital
- Institute of Mental Health/ Woodbridge Hospital
- Jurong Community Hospital
- Jurong Medical Centre
- KK Women's and Children's Hospital
- Khoo Teck Puat Hospital
- National Cancer Centre
- National Centre for Infectious Diseases
- National Dental Centre
- National Heart Centre
- National Neuroscience Institute
- National Skin Centre
- National University Hospital
- Ng Teng Fong General Hospital
- NHG Eye Institute
- Ren Ci Community Hospital
- Sengkang Community Hospital
- Sengkang General Hospital
- Singapore General Hospital
- Singapore National Eye Centre
- St. Andrew’s Community Hospital
- St. Luke’s Hospital
- Tan Tock Seng Hospital
- Yishun Community Hospital
- All polyclinics under NHG or Singhealth
- All polyclinics under the National University Health System
3. 払い戻し対象外の例
以下に該当する場合は、医療費としての払い戻し対象外(企業に支払い義務がない)となります。
- 祝日、年次休暇、休息日、休業日に病気になった場合
- 美容処置のための医療診察
1に関しては、有給病気休暇に該当しないため、休みの間に罹った病気の受診料は払い戻し対象外となります。
2に関しては、その診察が美容上の検査や処置を行うためのものであるかどうかの判断が必要です。
あくまで健康上に関わるものだけを保証しているために対象外となります。
最後に
今回は従業員の医療費に関して、シンガポールの雇用法をもとにまとめました。
企業によっては全社員への医療保険加入やパネルドクターの配置、海外旅行保険付与などでカバーされているケースがよく見られます。
また福利厚生の一部として、美容上の診察および処置に関してもカバーされている企業もあり、会社のポリシーによって異なります。
医療費の上昇によるコストを防ぐため、また従業員が安心して働ける環境を提供するためにも、医療費に対する制度構築が重要な鍵となるかもしれません。
人材に関するご相談がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせくださいませ。
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