まさにグローバルスタンダード!シンガポールの教育システムとその特徴とは

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。

世界的に評価が高いと言われているシンガポールの教育システム。

教育に関する国際的なランキングを見ても、シンガポールの学生は常に上位にその名を馳せています。

例えば、OECD(経済協力開発機構)が数年ごとに15歳の生徒を対象に学力調査をするために主催している「PISA(Programme for International Student Assessment)」では、シンガポールの生徒は数学、読解、科学すべての分野でトップという成績を叩き出しています。

このほか、スイス・ジュネーブに本部がある教育団体「国際バカロレア機構(IBO=International Baccalaureate Organization)が提供する16~19歳を対象とした2年間のプログラム「IBDP(国際バカロレア: ディプロマ)」の2020年度の試験において、世界で満点を記録した生徒の半数がシンガポールの学生だったというデータもあります。

さらに、世界的に英語力を判断するためのテスト「TOEFL®」でも、シンガポールはアジアでトップの点数を出し続けているそう。


調べれば調べるほど湧いてくるシンガポールの教育システムへの興味。

一体どのような教育システムになっているのでしょうか。

そこで今回は、シンガポールの教育システムの概要やその特徴について詳しくご紹介いたします。


【目次】
1.シンガポールの教育システムについて
2.シンガポールの教育の特徴
3.最後に


1. シンガポールの教育システムについて

シンガポールでは、教育は国の優先事項として掲げられており、政府は常に質の高い教育を提供することに多額の投資を行っています。

また、子どもに教育を受けさせるための金銭的な支援や教員の育成など、多方面で力を入れています。

このため中央集権的な構造をしており、Ministry of Education(教育省、通称MOE)がシンガポール島内のPre-school(幼稚園)から大学進学準備のためのPost Secondary(ポスト・セカンダリー)までのローカルスクールを監督し、カリキュラムや評価基準、年間スケジュール等を決めています。


PrimaryとPSLE

まず、日本の小学校に相当するのが、「Primary」です。

日本と同じように、6年間の義務教育が提供されます。

このPrimary在学中のお子様を持つ親御さんを中心によく話題に上がる「PSLE(Primary School Leaving Examination)」。

これは、Primaryの修了に際し、卒業試験としての役割を持つ試験です。

英語・数学・科学(サイエンス)・第二言語の4科目が主な試験項目です。

PSLEは、卒業判定だけではなく、点数によってその後進路がある程度決まるため、重要な役割を持ちます。

「Primary」を卒業すると、PSLEの結果に応じてそれぞれ「Secondary」へ進学します。

MOEによると、2023年度のPSLEの合格率は98.4%だったそう。

1.6%の生徒はSecondaryへの進学が難しい、ということになりますが、ほとんどの生徒は「Secondary」へ進学することとなります。


Secondaryとその進路

Secondaryは、日本の中学校に相当しますが通常は4年から5年の課程となっており、シンガポールではここまでを「Basic Education」と呼びます。

Secondaryは先ほどのPSLEの結果によって選択肢が絞られており、優秀な成績を納めた学生は最も良いとされる最短ルート「Express」へ振り分けられ、GCE O-Level(The Singapore-Cambridge General Certificate of Education Ordinary Levelの略称)を受験。

その後GCE A-Level(Advanced Level)を受験し大学へ進学していきます。

このほか、「Normal (Academic)」、「Normal (Technical)」というルートがあります。

「Normal (Academic)」までが大学進学を目指す生徒が在籍するようです。

かなり複雑に振り分けられることが分かりますね。


ここで日本と大きく異なる点は、日本は中学校までが義務教育ですが、シンガポールの場合はPrimary卒業までが義務教育となっているところ。

その一方で、ほとんどの生徒が「Secondary」からその先、大学準備のために2‐3年程度学習する「Post Secondary」までは進学するようです。

Post Secondaryにも、ジュニアカレッジ、ポリテクニック、ITEなどその種類は様々です。

一方で、大学についてはさらに競争率が高く、進学率については日本ほど高くないというのが現状だそう。

シンガポールの国立大学というと、NUSやNTUが有名ですね。

2024年のQS World Universitiesランキングでは、シンガポールのNUSは世界8位、アジアでトップの大学の称号を獲得しています。


ご覧の通り、PSLEの試験結果によって中等‐高等教育の卒業、ないしは大学の進学まで将来がある程度決められてしまうため、大学進学を目指すためにはPSLEで良い点数を取らなければなりません。

このため、幼いうちから家庭教師や塾へ通い、必死に勉強をするという子どもが多いというのが特徴です。

親御さんの期待も大きくのしかかりますね。


実際にPSLEは過度の競争性に対する批判もあるようで、これに対応すべく、政府はPSLEの改革を検討しており、より総合的な評価方法の導入を検討しているそうです。


2.シンガポールの教育の特徴

シンガポールの教育方針や特徴はどのようなものがあるのでしょうか。

MOEのウェブサイトを元にいくつかご紹介いたします。


マルチリンガル教育

まず挙げられるのが、幼いころからのバイリンガル、またはマルチリンガル教育です。

ご存知の通り、シンガポールでは、英語、中国語、マレー語、タミル語の4つの公用語があります。

教育システムはこれらの言語のバイリンガル教育に重点を置いており、生徒は複数の言語を習得することが奨励されています。

このため、授業でも言語の授業が多く取り入れられています。


アクティブ・ラーニングの推進

従来の黒板と椅子といった授業形式にとらわれない、「アクティブ・ラーニング」が推進されています。

アクティブ・ラーニングの狙いとしては、新しいことを学ぶことによる自信、好奇心、仲間と協力し合う協調性や個性などを学ぶことだそう。

屋外学習やクリエイティブ活動、ゲームなどを通して生徒の主体性を養います。

2009年からMOEが推奨しているプログラムで、ローカルスクールでは週に2時間以上導入されている科目です。


ホリスティックなアプローチ

シンガポールでは、学問的な学びだけではなく、それぞれの「個」を尊重する人格形成や現代に不可欠なデジタルリテラシー、また社会性を学習する機会なども重視しています。

上述したアクティブラーニングの機会や、その他の課外活動・ボランティアなどを通じて人格形成を行うアプローチを採用しています。


3.最後に

今回は、シンガポールの教育システムとその特徴についてお届けしました。

複雑かつ多様な進路の選択肢があるという点、そしてそれらがある程度PSLEによって定まるという点が最も日本と異なる点ではないでしょうか。

また、シンガポール政府は教育の中身だけではなく、全ての子どもが平等に教育が受けられるよう、支援制度なども充実させています。


今後対応していく課題はあるものの、シンガポールの教育システムは、今後も革新的な取り組みを維持しながら、グローバルかつ少し先の未来さえも読めないこの時代に新たな価値を創造していく子どもたちの成長に欠かせないものとなっていくのではないかと感じました。

シンガポールの教育にご興味をお持ちの方は、ぜひMOEのホームページも併せてご覧くださいませ。
 

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