【日本より低いって本当?】就労前に知っておきたい、シンガポールの所得税について

 

こんにちは。

リーラコーエン シンガポールの平林です。

 

海外就労の懸念の1つとして、実際の ”手取り給与” を考える方も多いのではないでしょうか。

その国の税金制度について事前に知っておく事で、現地での生活にも非常に役立ちます。

 

そこで今回は、シンガポールで就業する際の給与所得に関わる税金制度について説明したいと思います。

 

【目次】

  1. シンガポールの所得に関する税金と税率について
  2. 納税方法について
  3. 様々な控除について

 

シンガポールの所得に関する税金と税率について

まず初めに、日本は所得税と住民税(地方税)が毎月のお給料から差し引かれるかと思います。

しかし、シンガポールは日本と異なり地方税がないため、所得に対して課税されるものは個人所得税のみとなります。

(島内で持ち家や不動産収入がある場合は別途、納税義務が発生します。)

 

シンガポールの所得税率は日本と同じ累進課税となり、所得が増えるにつれて税率が上がる仕組みとなります。

税率は22%が上限となり、最高税率45%の日本と比べると約半分!手取り金額が確保できるのは有難いですよね。

 

それでは、実際の所得税率を見ていきましょう。

IRAS(Inland Revenue Authority of Singapore)というシンガポール内国歳入庁(日本の国税庁に相当する機関)の一覧表は以下の通りです。

(元ソース:所得税率一覧表(IRAS)) 

Chargeable Income

(課税所得)

Income Tax Rate (%)

(所得税率)

Gross Tax Payable ($)

(総納税額)

First $20,000

Next $10,000

0

2

0

200

First $30,000

Next $10,000

-

3.50

200

350

First $40,000

Next $40,000

-

7

550

2,800

First $80.000

Next $40,000

-

11.5

3,350

4,600

First $120,000

Next $40,000

-

15

7,950

6,000

First $160,000

Next $40,000

-

18

13,950

7,200

First $200,000

Next $40,000

-

19

21,150

7,600

First $240,000

Next $40,000

-

19.5

28,750

7,800

First $280,000

Next $40,000

-

20

36,550

8,000

First $320,000

In excess of $320,000

-

22

44,550

 

 

この表だけ見ると少し分かりにくいのですが、実際の例を出してご説明させて頂きます。

対象期間は同年の1月1日~12月31日までとなります。

 

<例> 外資系営業 

月給:SGD 5,500、ボーナス:SGD 5,500(1か月分)

年収:SGD 71,500

上記の場合、IRASの表の上から3番目のこちらに該当します。

計算方法は、$71,500の内の$40,000に対しては$550、残りの$31,500に対して7%の税率がかかるという仕組みです。

ですので、合計の所得税金額は $2,755 となります。

<計算式>

$550 + ($31,500 × 7%)  =  $2,755

月額に換算すると、$2,755 ÷ 12 = 約$230 となります。

 

また$20,000以下は課税対象外となりますので、お仕事を始めたばかりでその年の収入がその金額を下回る様であれば、納税義務は発生しません。

 

納税方法について

それでは、どの様にして税金を納めるのでしょうか。

日本はご存知の通り、源泉徴収方式となり、毎月のお給料から天引きされているかと思うのですが、

シンガポールは確定申告制を導入しており、年度末にその年の収入額を自己申告する形となります。

 

申告に関しては、会社が対応してくれるケースがほとんどですが、事前に確認をしておく必要があります。

確定申告は翌年の4月15日までとなり、基本的にはオンラインで対応可能です。

 

通常、7月あたりにIRASから賦課通知が送られてきます。

近年では郵送なしのケースもあり、myTax-Portal というオンラインサイトからも確認が可能となります。

 

納税方法は自身の希望により選択が可能となり、オフラインであれば小切手や郵便局での支払い、

オンラインであればインターネットバンキングやGIROという自動引き落としが可能です。

ちなみに、月毎の分割支払いも可能となりますが、事前の銀行口座登録が必要となります。

 

様々な控除について

日本と比べるとただでさえ納税額が低いシンガポールですが、他にも様々な控除が受けられるのも特徴です。

中でも配偶者控除や子供扶養控除については、適応対象の方が多いかと思いますので、以下にご説明させて頂きます。

 

1.配偶者控除

配偶者の方の所得が年間$4,000以下の場合、$2,000の控除が可能です。

この場合、配偶者の方が日本にいる場合でも適用となります。

 

2.子供扶養控除

16歳未満のお子様、もしくはフルタイムで大学やその他の教育機関に通われている、

かつ年間の収入が$4,000を超えない場合は一人につき$4,000の控除が可能です。

こちらも上記と同様に、お子様がシンガポール在住である必要はありません。

 

その他、スキルアップに関するセミナーやコースの授業料に応じた控除や寄付金控除、

更にはご両親の扶養控除まであり、控除対象が充実しているのも一つの魅力となります。

 

最後に

今回はシンガポールの所得に関する税金制度についてまとめてみました。

日本に比べると計算や申告、納税方法はシンプルかつ分かりやすく、金額だけでなく納税に関する負担が少ないのも有難いですよね。

本記事がシンガポール転職のお役に立てば幸いです。

 

 

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