現地駐在員に徹底取材 アジアを知る第一回【インドネシア】
こんにちは。
リーラコーエン シンガポールマーケティング担当の野上です。
シンガポール入国をはじめ、東南アジア各国の入国規制の段階的な緩和が進む今、久しぶりのご出張で海外の行き来を再開した方も増えてきているのではないでしょうか。
中でもシンガポールから飛行機で2時間弱のインドネシアは、新型コロナウイルスの影響を大いに受けたものの、足元の新規感染者数も、一日100人前後となっており(※2022年6月現在)ニューノーマルに向け少しずつ前進の兆しを見せています。
今やその人口は2.7億人を超え、その数はASEAN地域における総人口のおよそ半分に及ぶインドネシア。
また、総人口において今後の経済成長を牽引する若年層から中間層が占める割合も多く、ますますの発展が期待されています。
今回は、日々めざましい発展を遂げるインドネシアについて、弊社のインドネシア拠点責任者である藤木へ取材を行いました。
インドネシアにおけるビジネスの今、そして今後投資や進出を検討される際のメリット・デメリットについて、たっぷりとお届けいたします。
【目次】
1.インドネシア最新状況
2.投資のメリットとデメリット
3.日々進化を実感する、インドネシア
4.最後に
1.インドネシア最新状況
インドネシアにおける2022年1-3月期のGDP成長率は前年同月比で5.01%上回る形で推移しており、民間消費を中心に伸びています。
輸出入についても同様に堅調な伸びを見せています。
民間消費については、私自身の肌感覚としても、コロナ禍で落ち込んだ状況が回復傾向にあることを感じます。
ショッピングモールを始めとした娯楽施設は、アプリ入場記録および検温さえ行えば規制なく入れる状況となり、以前のように人出が多くなっています。
ネットメインであった消費活動が、リアルにも戻ってきていることが感じられます。
また、オフィス出社もシンガポールと同じく100%の出社が認められており、コロナ禍においては気にならなかった渋滞(マチェット)が以前にも増して激しくなったように思います。
これまで10分で行けた場所も、今や1時間かかるほど。外出需要から、タクシーについてもすぐにつかまらないケースが増えています。
これまでの2年間の街の印象からは大分異なり、街に活気が戻ってきたことを実感しています。
インドネシア人採用・日本人採用共に求人数もコロナ禍よりも増加しており、おかげさまで弊社への問い合わせも毎日多数いただいている状況です。
また、ご存知の通り、インドネシアでは近年フィンテック市場の拡大を筆頭にデジタル経済化が急速に加速しています。
ジョコ・ウィドド大統領もインドネシアをデジタル経済国家として東南アジアナンバー1にすることを掲げていましたが、このコロナ禍でEコマース、ライドシェリング、デジタルマネー(Go-pay)のGoToを始めとしたユニコーン企業が、さらに勢いが増した印象です。
つい先日には銀行が直接フィンテック企業へ投資ができるようになるといった新規則も発足し、ますますのフィンテック市場の活性化も期待されています。
2.投資のメリットとデメリット
ここからは、今後インドネシア企業への投資を検討される企業ご担当者様に向けて、私の経験談から考えうるメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。
投資におけるメリットとポテンシャルのある領域
まずは何と言っても今後の経済成長への期待度の高さです。
今や世界人口数第4位のインドネシア。
2030年には3億人に到達すると言われていると同時に、今後の経済を牽引する人口ボーナス世代の層の厚さを誇ります。
これらの世代は貴重なマンパワーであるとともに、消費活動が最も盛んな世代でもあります。
冒頭でもご紹介したとおり、GDPの成長率は民間消費が大きな原動力となっているので、これからもさらに伸びていくことが期待できます。
また、インドネシアでは国民の銀行口座の所有率が40%程度であることに対し、スマホの所持率は70%です。
電子マネーやバーチャルアカウントの使用率がデジタル経済の活性化に貢献していることはもちろんですが、IT分野やBtoC向けのオンラインサービスはますます伸びていくことが予想できます。
主要銀行においてもオンラインのデジタルサービスを強化しているため、エンジニア採用も大いに増えています。
最近もう一つ増えてきているのが、Edテック(教育とテクノロジーの融合サービス)を展開する企業の増加と、それに対するお問い合わせです。
特に教育インフラが整っていない地方の子どもたちへの教育を提供するオンラインサービスについては、ビジネスチャンスに関する多くのお問い合わせを頂いています。
さらにHRテック(勤怠管理・ペイロール・福利厚生をクラウド上で提供するサービス)もよく目にする機会が多くなっています。
弊社でも2018年5月から導入・展開しているHRテックプロダクト「ウルトラ・テック」が引き続きご好評をいただいています。
これは従業員の働いた分のお給料を給料日前に前払いするシステムで、急な出費や貯蓄に心配がある従業員への福利厚生の一つとして、多くのお客様へご利用いただいています。
ここにご紹介したのは一部ですが、人口の多さとスマホ普及率が掛け合わさることにより様々なサービスがオンラインでリーチできるというメリットで、アライアンス先やビジネスパートナーを探されるケースも多く見受けられます。
また、法改正(オムニバス法)も追い風となっています。外資に対する規制が弱くなり、ネガティブリストが撤廃され、ポジティブリストへ変更となったことで、より多くのビジネスチャンスが生まれています。
投資におけるデメリット
デメリットについては、ひとえに未だ発展途上であるがゆえのインフラの不備及び不明確さに課題があることです。
法律に明文化されていないものが多く、ビジネス面で不安定な要素が多いことが挙げられます。
ジョイントベンチャーを作るにあたっても、足踏みをする日系企業様が多くいらっしゃるように見受けられます。
不安定な要素が多い中でも、先にご紹介したメリットである成長ポテンシャルに懸けられるかどうかが、判断の大きなポイントになるかと思います。
3.日々進化する、インドネシア
特にジャカルタについては、日々生活する上でも目まぐるしい変化を実感しています。
少し前まではすべての移動が車を利用してのものでした。
つい一昨年、地下鉄の運行開始とともに、北から南に直線に伸びる目抜き通り「スディルマン」の両脇に歩道ができ、歩けるようになりました。
これまではタクシーを利用して遠回りせざるを得ず、例に紛れず渋滞に巻き込まれ、1時間かかることが日常でしたが、移動手段の選択ができるようになったことで、私もお客様訪問がスムーズになり、移動ストレスが軽減されました。
また、同「スディルマン」の両脇にそびえるビルの電子公告の内容がネットフリックスの番宣であったり、少し前の保守的なイメージを覆すような事例もよく見かけることが多くなりました。
小さなことですが、どんどん便利になったり、新たな発見を与えてくれるインドネシアに非常に大きな魅力を感じています。
4.最後に
今回は弊社リーラコーエンインドネシアの責任者である藤木を取材し、インドネシアの今をお届けしました。
藤木は今年でインドネシア生活9年目を迎えます。
現地に駐在し、ビジネスを行っているからこそ感じられる日々の変化や、ダイナミックなインドネシアのリアルな状況をお届けできていたら幸いです。
【プロフィール】藤木 賢一
2005年 明治大学法学部を卒業し、株式会社ネオキャリアに入社。
採用コンサルティング、採用広告の販売、人材紹介業、ならびにHRtechプロダクトに従事したのち、リーラコーエンシンガポール、インドネシア、インド、香港の事業立ち上げを責任者として行う。
現在はインドネシアでHRtechに注力。
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